Ubuntu Weekly Topics

2010年7月23日号10.04.1リリース延期・OneConf・SSLv2サポートの根絶・UWN#202・libvteのセキュリテイアップデート

10.04.1のリリース延期

先週お伝えした10.04.1(10.04のメンテナンスアップデート版)は、目標とされている作業が7月29日までに完了しそうにないため、リリースが8月12日に延期されました。バグフィックスのための作業はかなりの進捗を見せており、-proposed(テスト用リポジトリ)にあるパッケージのチェック・テストが主な残作業となります。

なお、Japanese Teamでリリースしている日本語Remixについても、10.04.1をリリースする予定です。こちらは8月12日以降に調整作業を開始するため、早くて8月中旬のリリースとなります。

10.10の開発その他

10.10の開発は、一時的な大規模トラブルに見舞われたものの、10月10日のリリースに向けて順調に進められています[1]⁠。直近の目標は、8月5日のAlpha3です。

"OneConf"

Ubuntu 10.10には、Ubuntu Oneストレージサービスにマシン情報を登録しておき、パッケージ構成や設定などを揃えるOneConfと呼ばれる機能が搭載される予定です。

OneConfはバックエンドでシステムのパッケージ情報をUbuntu Oneにアップロードし、Software Centerから「他のマシンにインストールされているパッケージを追加」⁠他のマシンにはインストールされていないパッケージを削除」といった操作が気軽に行えるようになる予定です。

完成予想図となるスクリーンショットもあります。複数台のUbuntu環境を利用する場合には、非常に役に立つ機能になるはずです。現状では対話的に操作することしかできず、使い勝手はいまひとつながら[2]⁠、テスト可能なレベルまで完成しています。

OpenSSLのSSLv2の根絶

UbuntuのOpenSSLパッケージでは、今後SSLv2[3]のサポートが根絶され、SSLv2は非対応となる予定です。これにより、SSLv2を悪用するタイプの攻撃を完全に防ぐことができます。

Ubuntuでの削除決定に至るまでのやりとりは非常にスムーズで、⁠これ削除すべき」⁠そうしよう。殺しておかないとね」⁠Debianではどうするの?」⁠Ubuntuで受け入れられたら、Debianでも提案してみるよ」といったものだったのですが、Debianに提案された後、どのように議論が転がるかは分かりません。

Ubuntu Weekly Newsletter #202

Ubuntu Weekly Newsletter #202がリリースされています。

その他のニュース

  • IGEPv2ボード(Ti OMAP3530を搭載したクレジットカード+αサイズのボード型PC。HDMIやEthernetコネクタ付で、消費電力6W)10.04を動かす話。同じ系統のチップを搭載したBeagleBoard-xM(Tiの新型SoCである1GHz駆動のAM3715搭載。このチップはQualcomm SnapDragonの直接のライバルにあたります)でもUbuntuが動作しているため、小型・省電力のUbuntuマシンを使いたいユーザーにとっては、非常に多くの選択肢が存在する状態になりつつあります。
  • Google Docにある各種ファイルを、ローカルファイルシステムとしてマウントするgoogle-doc-mountというソフトウェアが公開されています。Google Docを日常的に使っている方は、利用してみると便利かもしれません。
  • LifereaとEpiphanyをサポートするインジケータを、maverick用からバックポートしたもの。
  • DebianのBTSにバグレポートすることについて。
  • Ubuntu Developer Weekのまとめ
  • FirefoxとChrome/Chromiumで、カスタム検索プロバイダを設定する方法。
  • 10.04を用いて、Sambaサーバーを構築する方法。

今週のセキュリティアップデート

usn-962-1:libvteのセキュリテイアップデート
  • Ubuntu 9.04・9.10・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2010-2713を修正します。
  • CVE-2010-2713は、libvteがウインドウタイトル操作において、エスケープシーケンスを適切に取り扱わないことにより、ターミナルソフトウェアにおける古典的な攻撃手法であるset+queryアタックが成立する問題です。これにより、文字列の出力を行うアプリケーションが、ターミナルを実行しているユーザーの権限で任意のコードを実行することが可能です。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、セッションを再起動してください。
  • 備考:libvteはgnome-terminalなどの端末ソフトウェアで利用されています。
usn-963-1:FreeTypeのセキュリテイアップデート
  • 現在サポートされている全てのUbuntu(6.06 LTS・8.04 LTS・9.04・9.10・10.04 LTS)用のアップデータがリリースされています。CVE-2010-2498, CVE-2010-2499, CVE-2010-2500, CVE-2010-2519, CVE-2010-2520, CVE-2010-2527を修正します。
  • いずれも不正な形式のフォントファイル読み込みにより、任意のコードの実行・アプリケーションのクラッシュが可能な問題です。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、セッションを再起動してください。

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