Ubuntu Weekly Topics

2011年8月12日号Software CenterのGTK3版・XapianのCJK対応・OSC名古屋・Upstartの今後・UWN#227

Oneiricの開発

Software CenterのGTK3版

現在のUbuntuでは、パッケージマネージャのフロントエンドとして「Software Center」と名付けられた、独自のソフトウェアを利用しています[1]⁠。これはPyGTKを用いてGTK2ベースのソフトウェアです。

一方で、OneiricフェーズではGTK2からGTK3へのライブラリ移行が進められています。すでに幾つかのソフトウェアについては移行が完了しており、Software CenterについてもGTK3への移行が予定され、作業が進められています。このGTK3版Software Centerのモックアップ的なプロトタイプが完成し、スクリーンショット動作ムービーが公開されています。

現状はあくまで開発版レベルのプロトタイプということで、Oneiric環境へ投下されるのはまだ先になる可能性はありますが、これまでのSoftware Centerとは大きくデザインも変わり、より「見た目通りに動作する」ソフトウェアになりそうです。

Xapianの修正版のテスト要請

Ubuntuの幾つかのソフトウェア(Unity・Software Center等)に搭載された検索機能は、Xapianエンジンを用いて実現されています。が、Xapianは歴史的な理由でCJK文字列のハンドリングに問題があり、これらのマルチバイト文字列を検索文字列とした場合、正しい結果を得ることができませんでした。

この問題の修正版が準備され、テスト要請が行われています。

オープンソースカンファレンス名古屋

Ubuntu Japanese Teamは、オープンソースカンファレンス2011 Nagoyaにブース・セミナ出展を行います。イベントの概要は以下の通りです。

  • 日時:8月20日(土) 10:00-17:00
  • 入場:無料
  • 会場:名古屋国際センター
  • 主催:オープンソースカンファレンス実行委員会
  • 後援:財団法人ソフトピアジャパン
  • 内容:オープンソース関連の最新情報提供 (展示・セミナー)
  • 公式ハッシュタグ→ #oscnagoya

参加の際はhttp://www.ospn.jp/osc2011-nagoya/からセミナー参加の事前登録を行ってください。

Upstartの今後の方針

Debconf[2]が開催された関係で、Ubuntu特有のもの、Debian・Ubuntuの双方に影響があるものの両面で、幾つかの動きが起きています。

その中でも強力なものとして、Ubuntuで利用されている新しいinit daemon、Upstartの主要開発者三人[3]が揃い、⁠Upstartの現在と今後」について行ったミーティングのサマリが公開されています。

サマリにはChrome OS/Chromium OSの起動処理[4]において、どのように処理を高速化しているか(起動時にはとにかくデスクトップセッションを開始するためのX等を起動してログイン可能にし、ログインに関係のないデーモン類は後から起動する)等、非常に貴重な情報が含まれています。

同様に、現時点でのUpstartの課題・既知のバグなどもまとめられており、これからUpstartの扱いを習得しようとする場合には、大変役立つものになっています。

Amazon Web ServiceのEBS障害の影響範囲

先日発生したAmazon EBSの障害の影響で、AWS上の一部のUbuntuイメージが影響を受けています。US-WestリージョンでAWSを利用している場合(≒US-WestリージョンのEC2のユーザーは⁠⁠、障害に関する記事を参照の上、利用しているインスタンスに影響がないか確認してください。

UWN#227

Ubuntu Weekly Newsletter #227がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-1183-1:Linux kernelのセキュリティアップデート
usn-1186-1:Linux kernelのセキュリティアップデート
usn-1187-1:linux-lts-backport-maverickのセキュリティアップデート
usn-1188-1:eCryptfsのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2011-August/001392.html
  • Ubuntu 11.04・10.10・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-1835, CVE-2011-1836, CVE-2011-1837を修正します。
  • eCryptfsにおける、DoS・情報漏洩の問題を修正します。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。

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