Ubuntu Weekly Topics

2012年6月8日号QuantalのAlpha1・Computex Taipei 2012・UDS-Q(5)・UWN#268

Quantal Alpha1

Quantal(12.10)の開発が進み、Alpha1のためのフリーズに入りました。

Alpha1なのでテストする意味はそれほど大きくありませんが、開発を追いかけたい、あるいはUbuntuの開発版にチャレンジしてみたい、という場合にはチャレンジしてみても良いでしょう[1]⁠。ただし、いわゆる「本番環境」で利用することはまったくお勧めできません。

Computex Taipei 2012

世界最大のPC系展示会、Computex Taipei 2012が行われています。Canonialもブースを出しておりさまざまな展示を行っています。Ubuntu関連の展示として目新しいものはそれほど多くないものの、いくつか興味深い展示が行われています。おなじみのUbuntu TV関連も含めつつ、Ubuntu for Androidも稼働していたようです。

大きなものとして、MiTAC(詳しい人にとっては「Tyanを買収した会社」と言った方が良いかもしれません)のARM搭載サーバーが公表されています。搭載SoCはARMADA XPで、これまでに出ている同種のARMサーバーと同様、高密度タイプのラックマウントサーバーです。関連する動画はこちら

また、Computexの会場でUbuntu for Androidの提供時期が「おそらく来年」という形で公開されています。最短であればこれから半年程度で「Ubuntuが利用可能なスマートフォン」を手にすることができそうです。

UDS-Q(5)

今回もUDS-Qで話し合われたアイデアについて見ていきましょう。今回も「Desktop」カテゴリと、⁠UDS後の動き」を中心にお届けします。

  • desktop-q-libreoffice-qa-testsuites:LibreOfficeの自動テストツールを準備しよう。
  • desktop-q-keybindings-health-check:各種キーボードショートカット操作が妥当かどうか検証してみよう。12.04のときのように、特定のキー操作がバッティングするのは良くない。
  • desktop-q-xorg-usb-video-support:USBビデオデバイスを「できるだけ簡単に」利用できるようにしよう。
  • desktop-q-deja-dup:デスクトップのためにDeja Dupはデフォルトでインストールされるようになったが、さらに何か拡張できないか検討してみよう。たとえば毎日自動的にバックアップしたり、UIをより良いものにしたり、バックアップ状況を一覧できるようにしたり、Ubiquityに統合したり、バックアップファイルをパスワードで保護したりと、やりたいことはたくさんある。
  • desktop-q-upstart-session-requirements:Upstartをデスクトップ環境でも利用できないか検討してみよう。たとえば、Indicatorまわりの起動は本来はUnityのパネルが起動してから行われるべきだが、現状ではパネルと並列で起動してしまっているため、正常な順番で起動できない可能性がある。あるいはアップデートマネージャーでソフトウェアを更新したあと、適切にプロセスを再起動したり、といったことができるはずだ。そもそもどこにUpstartを応用する余地があるかも含めて検討してみよう。
  • desktop-q-application-startup-time:アプリケーションの起動時間を短くできないか検討してみよう。
  • desktop-q-hybrid-graphics:Intel+NVIDIA等のハイブリッドグラフィックスを実現できるようにしよう。
  • desktop-q-system-compositor:システム起動時からシャットダウンまで、モニタ表示を適切にコントロールし、不自然な解像度の変更やコンソールの表示等をケアし、ユーザー体験を向上させよう。
  • esktop-q-desktop-in-enterprise:エンタープライズ環境でUbuntuを利用できるように、Active DirectoryやExchange連携・ミーティングツールやオフィスを準備しよう。
  • desktop-q-indicator-redesign:Indicatorのメニュー構成を一新できないか検討してみよう。
  • desktop-p-libreoffice-lo-menubar-polish:LibreOfficeのグローバルメニュー対応をきちんと動作する状態にしよう。

UWN#268

Ubuntu Weekly Newsletter #268がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-1457-1:Linux kernel のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-May/001697.html
  • Ubuntu 11.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-4131, CVE-2012-1601, CVE-2012-2121, CVE-2012-2123, CVE-2012-2133を修正します
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-1456-1:Nut のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-May/001698.html
  • Ubuntu 12.04 LTS・11.10・11.04・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-2944を修正します。
  • 悪意ある細工の施されたパケットを受け取ることで、NUTdがクラッシュする問題がありました。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1458-1:Linux kernel (OMAP4) のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-May/001699.html
  • Ubuntu 11.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-4086, CVE-2012-1090, CVE-2012-1097, CVE-2012-1146, CVE-2012-2100を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-1459-1:Linux kernel (OMAP4) のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-May/001700.html
  • Ubuntu 11.10用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-1601, CVE-2012-2123を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるので、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-1460-1:Linux kernel (OMAP4) のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-May/001701.html
  • Ubuntu 12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-1601, CVE-2012-2123を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるので、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-1443-2:Update Manager のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-June/001702.html
  • Ubuntu 12.04 LTS・11.10・11.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-0950を修正します。
  • Update Managerからapportが呼び出された際、本来であれば秘匿されるべきリポジトリ情報をアップロードしてしまう問題がありました。以前にリリースされたusn-1443-1では問題が完全に解決されておらず、このアップデータにより改めて改善されます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1461-1:PostgreSQL のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-June/001703.html
  • Ubuntu 12.04 LTS・11.10・11.04・10.04 LTS・8.04 LTSを修正します。CVE-2012-2143, CVE-2012-2655を修正します。
  • 認証処理におけるDES暗号化の正しくない利用・不十分なセキュリティ制約によるクラッシュを改善します。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。ただし、このアップデートには当該のセキュリティ修正以外にUpstreamで実施されたバグ修正が含まれています。
usn-1462-1:Bind のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-June/001704.html
  • Ubuntu 12.04 LTS・11.10・11.04・10.04 LTS・8.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-1033, CVE-2012-1667を修正します。
  • namedに長さ0のrdataを含むリソースレコードを保持させることが可能なため、このデータを含むデータにあくせすする際に不定な挙動が生じ、クラッシュが生じる問題がありました。また、いわゆる「ghost domain names」問題への対処も含まれています。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1465-1usn-1465-2:Ubuntu One Client・Ubuntu One storage protocol のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-June/001706.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-June/001705.html
  • Ubuntu 12.04 LTS・11.10・11.04・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-4409を修正します。
  • Ubuntu One ClientがHTTPSアクセスを行う際、正常に証明書を検証していませんでした。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1464-1:Ubuntu Single Sign On Client のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-June/001707.html
  • Ubuntu 11.10・11.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2011-4408を修正します。
  • Ubuntu SSO ClientがHTTPSアクセスを行う際、正常に証明書を検証していませんでした。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1463-1:Firefox のセキュリティアップデート

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