2016年11月11日号　Ubuntu 16.10 日本語Remixのリリース・“Ubuntu Budgie”・UWN#486

Ubuntu 16.10 日本語Remixのリリース

Ubuntu Japanese Teamでは、Ubuntu 16.10 日本語Remixをリリースしました。日本語Remixの位置づけについてはこちらのドキュメントを参照してください。

“Ubuntu Budgie”

Budgie Remixとしての登場から半年強を経て、Budgie採用の正式なUbuntuフレーバーが登場することになりました。Ubuntu Budgieは、Budgieをデスクトップ環境として採用したディストリビューションとしてUbuntuファミリの公式な一員となります。

BudgieはGPUアクセラレーションを積極的に利用したGTK3ベースのデスクトップ環境で、macOSに似た「シンプルかつエレガント」なユーザー体験を提供します。UnityやGNOME、KDE、Xfceといった既存のデスクトップ環境では満足できない場合、Ubuntu Budgieを試してみてはいかがでしょうか。

Ubuntu Online Summit 16.11

Ubuntuの方向性を決定するための年に2度のオンライン会議、Ubuntu Online Summit（UOS）の時期が近づいています。UOS 16.11は11月15日〜16日にかけて開催されます。この原稿の執筆時点では会議がまだ十分にスケジュールされていない状態ですが、netplanに関するミーティングをはじめ、17.04や17.10、その先のLTSを見据えた多くの議論が交わされるでしょう。具体的な議論の内容や方向性については来週以降の本連載でお知らせする予定です。

UWN#486

Ubuntu Weekly Newsletter #486がリリースされています。

その他のニュース

IoTデバイスから正確な時刻精度で情報を送るためのsnapパッケージについて。
「Ubuntuが動作する$20のPC⁠」⁠、Orange Pi PC2について。
Nintendo NES Classicの中身について。Ubuntuはまったく関係ありませんが、ARM SoCの隆盛と、廉価な中国製SoCの可能性を象徴するデバイスと言えるでしょう。
Canonicalが提供する、フルマネージドなKubernetesサービスについて。

今週のセキュリティアップデート

usn-3121-1：OpenJDK 8のセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-November/003618.html
Ubuntu 16.10・16.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-5542, CVE-2016-5554, CVE-2016-5573, CVE-2016-5582, CVE-2016-5597を修正します。
対処方法：アップデータを適用の上、OpenJDK上で動作しているJavaアプリケーションを再起動してください。
備考：CPUOct2017への対応となるアップデートです。

usn-3122-1：NVIDIA graphics driversのセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-November/003619.html
Ubuntu 16.04 LTS・14.04 LTS・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-7382, CVE-2016-7389を修正します。
グラフィックデバイスが作成するスペシャルデバイスに対して悪意ある入力を行うことで、root権限の奪取が可能でした。
対処方法：アップデータを適用の上、システムを再起動してください。

usn-3123-1：curlのセキュリティアップデート

https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2016-November/003620.html
Ubuntu 16.10・16.04 LTS・14.04 LTS・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2016-7141, CVE-2016-7167, CVE-2016-8615, CVE-2016-8616, CVE-2016-8617, CVE-2016-8618, CVE-2016-8619, CVE-2016-8620, CVE-2016-8621, CVE-2016-8622, CVE-2016-8623, CVE-2016-8624を修正します。
対処方法：通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。