Ubuntu Weekly Topics

2017年10月6日号ArtfulのFinal Beta、Samsung ARTIKへのUbuntu採用、とあるDockerエラーとの戦い、UWN#520

ArtfulのFinal Beta

Artful(17.10)Final Betaがリリースされています。10月5日のkernel freezeを目前にした駆け込みカーネルパッチも見られましたが、比較的おだやかな流れが続いています。

Samsung ARTIK Gateway moduleへのUbuntu採用

Ubuntuの活躍の場がまた広がりました。Ubuntu 16.04 LTSが、SamsungのARTIKエコシステムのうち、ARTIK 5/ARTIK 7における「プライマリ」Linuxディストリビューションとなったことが発表されています。

ARTIKはIoT環境を構成するためのSoCチップセットと各種バリエーションボードで構成されるエコシステムで、⁠IoTで使われそうなもの」を一通りカバーする製品展開を行っているシリーズです。

ARTIK 5ARTIK 7はその中でも比較的高性能なデバイスグループで、おおむね「廉価なARMボード」と同じ程度の性能を持ちます(つまり、Ubuntuが得意とするカテゴリです⁠⁠。ARTIKをベースにしたIoTデバイスが出てくると、⁠知らないあいだに家電としてUbuntuデバイスが増えている」といったことになるかもしれません。

UWN#520

ubuntu weekly newsletter #520がリリースされています。

その他のニュース

  • 新しいUbuntu Community Hub(コミュニティ向けのポータル)リリースされています。
  • /bootの容量を確保するテクニックについて
  • linux-azureでDockerを利用しているときに発生するランダムなクラッシュへの対策パッチ。パッチそのものよりも対策までの流れに非常に多くの学ぶべき点が含まれています[1]⁠。原因不明のエラーのデバッグを試みるケースにおけるgit bisect[2]が活躍する素晴らしい教材のため、Linux系エンジニアの方はここで行われた調査を実際にトレースしてみることをお勧めします。

今週のセキュリティアップデート

usn-3430-1:Dnsmasqのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-October/004066.html
  • Ubuntu 17.04・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-14491, CVE-2017-14492, CVE-2017-14493, CVE-2017-14494, CVE-2017-14495, CVE-2017-14496を修正します。
  • 特定のリクエストによりメモリ破壊を伴うクラッシュが生じる場合がありました。任意のコードの実行に繋がると考えられます。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-3433-1:popplerのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-October/004067.html
  • Ubuntu 17.04・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-14517, CVE-2017-14519を修正します。
  • 悪意ある加工の施されたファイルを処理することでクラッシュが誘発される問題がありました。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3434-1:Libidnのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2017-October/004068.html
  • Ubuntu 17.04・16.04 LTS・14.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2017-14062を修正します。
  • 特定の入力によりメモリ破壊を伴うクラッシュが生じる場合がありました。任意のコードの実行に繋がると考えられます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-3435-1:Firefoxのセキュリティアップデート

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