Ubuntu Weekly Topics

2021年6月4日号Microsoft Build 2021でのWSLgのアナウンス、HiFive Unmatched関連ドキュメント

Microsoft Build 2021でのWSLgのアナウンス

Windows 10上でLinux GUIアプリケーションが走る日がもうすぐやってきます。

Microsoft Build 2021で、WSL上でのGUIとGPGPUのML利用があらためてアナウンスされています。この「Linux GUIアプリケーションの実行」機能はWSLgによってもたらされるもので、⁠WSLの中からアプリケーションを起動するだけ」でシームレスにGUIアプリケーションのウインドウが表示される形になります。⁠Once you’ve installed GUI app support, you’ll be able to open a WSL window and start a Linux GUI app right away, without the need to set up an X Server each time. ⁠⁠一度GUIアプリケーションサポートをインストールすれば、WSLのウインドウを開いてLinux GUIアプリケーションを起動するだけです。X Serverを毎回セットアップする必要はありません)といった記載もあり、⁠Microsoftの公式アナウンスでX Serverについて触れられる』という、過去からするとなかなかに異次元の展開となっています。

なお現状としては、WSLgをサポートするbuild 21362+は「まだ」Insider Previewでの提供であり、通常の(Insider Buildを利用する設定をしていない)Windows 10ユーザーがWSLgを利用できません[1]⁠。しかし、近い将来のアップデートリリース(おそらく今年後半に登場する、Version 21H2かその次の22H1)以降、⁠すべてのWindows 10ユーザーがLinuxのGUIアプリケーションを利用できる」という状態になるとみられます。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-4964-1:Exiv2のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2020-May/006037.html
  • Ubuntu 21.04・20.10・20.04 LTS・18.04 LTS・16.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-29463, CVE-2021-29464, CVE-2021-29473, CVE-2021-29623, CVE-2021-32617を修正します。
  • 悪意ある加工を施したファイルを処理させることで、メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行・秘匿されるべき情報へのアクセスに利用できます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-4965-1, usn-4965-2:Apportのセキュリティアップデート
usn-4966-1, usn-4966-2:libx11のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006039.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006041.html
  • Ubuntu 21.04・20.10・20.04 LTS・18.04 LTS・16.04 ESM・14.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-31535を修正します。
  • 悪意ある操作を行うことで、Xプロトコル上のリクエストを追加で処理させることが可能でした。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-4967-1, usn-4967-2:nginxのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006042.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006046.html
  • Ubuntu 21.04・20.10・20.04 LTS・18.04 LTS・16.04 ESM・14.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-23017を修正します。
  • 悪意あるDNSレスポンスを送出することで、メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行につなげられる可能性があります。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-4968-1, usn-4968-2:LZ4のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006043.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006047.html
  • Ubuntu 21.04・20.10・20.04 LTS・18.04 LTS・16.04 ESM・14.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-3520を修正します。
  • 悪意ある加工を施したファイルを処理させることで、メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行につなげられる可能性があります。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-4969-1, usn-4969-2:DHCPのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006044.html
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-May/006045.html
  • Ubuntu 21.04・20.10・20.04 LTS・18.04 LTS・16.04 ESM・14.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-25217を修正します。
  • 一定の条件下で悪意あるネットワーク入力を行うことで、本来期待されない挙動を誘発することが可能でした。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧