Ubuntu Weekly Topics

2021年7月9日号AMD Sensor Fusion Hubの最新ドライバ、zstdベースのアーカイブ

AMD Sensor Fusion Hubの最新ドライバ

最近Linux Kernelにマージされた、AMD Sensor Fusion Hubのドライバ(の最新枝)UbuntuのOEMカーネルにマージされる見込みです。

AMD Sensor Fusion Hub(SFH)はRyzenシリーズの主にLaptop向け製品に搭載される、⁠各種センサーを接続する」ためのサブシステムです。この「各種センサー」にはタッチパネルや重力センサーなどが含まれることがポイントで、⁠Ryzenベースのタッチパネル搭載ノート(特にコンバーチブルタイプ)をLinuxで使うとタッチパネルが機能しない」⁠タブレットの向きを変えても画面が自動的に回転しない」⁠温度が取れない」といった問題が起こすことがありました(過去形。注1⁠。

今回マージされたのはこのドライバの最新枝で、⁠This is backport request from AMD for an upcoming platform. We don't have access on the hardware to test it.」⁠AMDからの新プラットフォーム向けのバックポートリクエスト。該当するハードウェアは我々のもとにはない)といった記載も添えられているのがポイントです。関連するパッチをよく見ると、「Extend ALS support for AMD next generation SoC's like Renoir, Cezanne.」といった記載もあり[2]⁠、⁠次に出てくるRyzen搭載ラップトップは万全な状態でUbuntuに対応している」という期待が持てる内容となっています。

OEMカーネルの位置づけからすると「AMDからのリクエスト」という部分にも少し謎が残りますが、おそらくどこかで搭載モデルが発表されることで謎が解けることになるでしょう。

その他のニュース

  • Ubuntuにもzstdベースのアーカイブやってきました
  • Ubuntu TouchのOTA18がそろそろ出てくる予定です。
  • PhoronixによるWindows 11+WSL2と通常のUbuntuの性能比較。総じて「IOさえ絡まなければせいぜい10%程度の性能差で済む」⁠IOが関わるとどうしても遅くなる」という、直感的な予想通りの結果となっています。
  • Desktop Teamの今週のレポートに、⁠Reviewed how to best run applications that require DBus in WSL」⁠WSLにおいて、DBusを要求するアプリケーションをどう動かすのが最適かをレビューした)という気になる一節が含まれています。

今週のセキュリティアップデート

usn-4905-2:X.Org X Serverのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2020-June/006095.html
  • Ubuntu 14.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-3472を修正します。
  • usn-4905-1の14.04 ESM向けパッケージです。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
usn-5005-1:DjVuLibreのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2021-July/006096.html
  • Ubuntu 18.04 LTS・16.04 ESM用のアップデータがリリースされています。CVE-2021-3630を修正します。
  • 悪意ある加工を施したファイルを処理させることで、メモリ破壊を伴うクラッシュを誘発することが可能でした。任意のコードの実行に繋がると考えられます。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。

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