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第2回 FreeBSDで安心・快適通信【I】ホームサーバでエコメール

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さらにエコなメソッド~メールをまとめてダウンロード,ローカルで展開する

前節で紹介した「ヘッダだけ先読み」メソッドは,単にThunderbirdを使っているだけだから,実はOSに依存しない。⁠FreeBSDのメリットじゃあないじゃん」という突っ込みが聞こえてきそうだが,実際ここからがUNIX遣いの本領発揮であるのでお立ち合いである。

前述のメソッドでは,無駄メール削除のために,ヘッダを2回読み込んでいる。そのうち2回目で不要なメール本文を消去しているのだが,特に回線が細いとヘッダだけ読むにも意外に時間がかかることに気がつく。これは,POPでヘッダを読むために,裏では1つ1つのメールに対してリクエスト送信しているからで,さらにThunderbirdのスパムフィルタ等にかかる時間を加えると,かなりの時間が実体ではないデータのやりとりソフトの内部処理に食われているのだ。

前回のブラジル滞在時のホテルは,ネットにつなぎ放題だったから,1時間でも2時間でも辛抱強く放っておいたのだが,今回滞在したホテルは「1分0.25ブラジルレアル(=15円⁠⁠」という「従量制料金」だから,接続時間は1分でも短かくしたい。こんなときに役立つのが今回の目玉,⁠まとめてダウンロード」メソッドである。

種明かしは簡単。⁠scpコマンドで,日本のサーバマシンから/var/mail/mita(ユーザ名「mita」の場合)を手元のマシンにコピーして,手元のマシンをサーバにしたててヘッダ先読みメソッドを使えばよい」のである。手順は図6のようになる。先ほどとの違いは,⁠まずファイルを丸ごとコピーして」そののちは「全てローカルで作業する」ことである。もちろん,サーバにログインできることが条件となる。

図5 ローカルマシンににダウンロードするメソッド

図5 ローカルマシンににダウンロードするメソッド

前準備1:popa3dとMHの準備

必要なものは,Thunderbirdのほか,⁠popa3d」などのPOPサーバプログラムと,メイルハンドラ「MH」である。7.1-RELEASEに附属のものはpopa3d-1.0.2_1とja-mh-6.8.4.j3.05_1だが,ここではportsからインストールしてみよう。

# cd /usr/ports/mail/popa3d
# make install clean
# cd /usr/ports/japanese/mh
# make install clean

popa3dは,インターネットデーモン「inetd」から起動することができる。/etc/inetd.confをrootで編集して,以下の1行を追加する。

pop3    stream  tcp     nowait  root    /usr/local/libexec/popa3d   popa3d

inetdは最近のFreeBSDではデフォルトで起動していないので,本メソッドを利用する前には忘れずにrootで起動しておく。

# inetd 

毎回起動がめんどうだという場合は, /etc/rc.confに

inetd_enable="YES"

という1行を追加してもよい。

前準備2:Thunderbirdの準備

localhostの110番ポート(pop3)からメールをダウンロードするような設定を新規に作成する。⁠ヘッダのみ取得」「メールをサーバに残す」などの設定は,前節とまったく一緒である。ここでは,⁠popa3d」というアカウント名にしておいた。

図6 thunderbirdの設定

図6 thunderbirdの設定

著者プロフィール

三田吉郎(みたよしお)

東京大学 大学院工学系研究科 電気系工学専攻准教授。講義「電気磁気学」「わかる電子回路」やマイクロマシン研究の傍ら,FreeBSDの普及,開発に尽力する。FreeBSD ports committer。国際派を自任し,2007~8年9月までフランス国立情報学研究所(INRIA)招聘教授。共著書に「FreeBSD徹底入門」(翔泳社),「FreeBSD Expert」など。