新しくなったWindows Azureの中でも画期的なソリューションのひとつ、Windows Azure Media Servicesの商用展開がスタートしました。他のサービスにない特徴としては、Windows Azureの強みであるスケーラビリティに加え、あらゆるプラットフォームに対してSDKおよびプレイヤーのフレームワークを提供。言い換えれば動画素材さえ準備すれば、主要なデバイスに対してオンデマンドのビデオを配信することができます。広告表示がないため、自社コンテンツ内に動画配信機能を構築したり、企業や団体においてスタッフ教育用ビデオを配信するなど、利用シーンも広がりそうです。また「利用した分だけお支払い」というよりは、視聴された回数だけ料金を支払うWindows Azureならではの従量課金で提供されるところも嬉しい限りです。
豊富なストリーミングフォーマットを用意して、あらゆる聴取環境に柔軟に対応
これまでの動画配信には、ストリーミングサーバの準備や動画配信ソフトの購入、サーバのレンタルなど、金銭的にも物理的にもさまざまな準備と用意が必要とされ、スペシャリストの存在は不可欠でした。しかしWindows Azure Media Serviceなら、動画素材さえ準備すれば、個性的な動画サイトを簡単に作り上げることができます。それは、Windows Azure Media Servicesがメディアコンテンツに特化したPaaSのサービスとして提供されるところにあります。
また従来の動画配信では、さまざまなデバイスやクライアントの仕様に合わせてひとつずつビデオをエンコードする必要があり、配信までの準備はとても手間のかかる作業でしたが、Windows Azure Media Servicesの登場により、ハードとソフトの接続、設定、配信後の保守といった負担を軽減。標準的なルールにのっとって自動で処理がなされるため、特殊なエンコード技術がなくても美しい動画を配信することができます。これまで煩わされてきた基盤の構築ほか、現場の雑事に追われるのではなく、コンテンツのブラッシュアップなどの本来的な活動にエネルギーを注ぐことができます。
常に「大変」で「不便」がつきまとう動画のエンコード作業。Windows Azure Media Servicesでは、ひとつのメディアを異なるファイルフォーマットにエンコーディングできる機能を提供しています。このため、エンコードのソフトやインフラを自前で用意する必要がありません。RESTコール(または.NETおよびJavaのSDK)を送るだけで、Windows Azure Media Servicesが処理およびスケール調整を行います。このとき、Windows Azureの管理ポータルにある「SCALE」を使うと、予約エンコーディング数を追加することができるため、複数のエンコード作業を同時に行うことができるほか、スケールをアップすることでエンコードを素早く実施することができます。またエンコードユニットとストリーミングユニットをスケールアップすることで、ファイルのエンコードとアップロードを同時多発的に実施することができます。さらにストリーミングユニットの利用により、たくさんの人がアクセスしても快適な環境でコンテンツを楽しんでもらうことができます。
ワンソース・マルチデバイス対応も嬉しいポイント
iOSやAndroid、スムーズストリーミングなど、配信方式に合わせたファイルフォーマットの用意が不要となります。Windows Azure Media Servicesの占有型(有償版)の利用により、ひとつのソースから、複数のファイルフォーマットを作る手間なく各デバイスに配信できるため、作業時間をカットします。
以上、Windows Azure Media Servicesを紹介しました。これを読んで興味をお持ちになった方はぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
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