2012年年末にWindows Azure の各サービスが一斉に機能強化およびアップデートされました。Windows Azureモバイルサービス、Webサイト、メディアサービス、Windows Azureアクセス制御およびWindows Azureストアのアップデートに合わせて、管理ポータルもアップデートされています。
Windows Azure モバイルサービスのスケジュールジョブ機能追加、コマンドラインツール対応(12/21)
Windows Azureモバイルサービスは、スケジュールジョブ(Scheduled Job)の機能が追加され、また、コマンドラインツールに対応しました。
スケジュールジョブの機能では、バックグラウンド処理を行うジョブを作成し、設定されたスケジュールで自動実行させることが可能になりました。定期的なデータ整理・取得(古い情報や重複の削除、TweetやRSSの収集、アップされた画像の圧縮) 、定期的なプッシュ通知など、これまで コンピューティングサービスのインスタンスで実行していたジョブをWindows Azureモバイルサービスで構成できます。
また、先日公開された マルチプラットフォーム向けコマンドラインツールであるWindows Azure CLI toolを利用して、WindowsおよびMacからWindows Azureモバイルサービスにアクセスできるようになっています。
なお、Windows Azureモバイルサービスが利用できるデータセンターとして、これまでの East US / West USに加えてNorth Europeが追加になりました。
Windows Azure Web サイトのインスタンス拡張、ソース管理の機能追加(12/21)
Windows AzureクラウドサービスやWindows Azure仮想マシンはもちろん、Webサーバに特化したWindows Azure Webサイトでもインスタンス(仮想マシン)の数、サイズを変更することでスケールアウトでき、アクセス数増減に対応できます。
Windows Azure Webサイトでは、無料・共有・占有の3種類のモードが用意されており、共有モードでは6個まで、占有モードでは10個までインスタンス数を増やすことができるようになりました。また、占有モードではインスタンスのサイズをS/M/Lから選択できます。
なお、Windows Azure Webサイトで、TFS(Team Foundation Service)やGitでWebサイトのソース管理を行うことができるようになり、Gitを利用する場合は、リポジトリはローカル(Git) / CodePlex / GitHub / BitBucketを選択できます。
Windows Azureメディアサービスの機能強化:ジョブ管理、占有エンコーダー、ストレージとの統合(12/21)
Windows Azureメディアサービスは、先日のエンコード占有ユニットの追加 に加えて、ジョブおよびタスクの管理画面が利用できるようになり、進行中のジョブの確認や管理を行えます。エンコーディング機能はHTML5(IE / Chrome / Safari) 、PC/Mac(Flash/Sliverlight) 、iOSおよびPC/Macの3パターンのフォーマットが用意されており、それぞれのフォーマットごとに再生可能な状態で、ストレージ内のコンテナに収容されます。
また、Windows Azureストレージとの連携が図られ、ストレージに保存した動画から直接エンコードジョブを作成できます。
Windows Azure Active Directoryの機能としてWindows Azureアクセス制御(ACS)を統合(12/21)
Windows Azure アクセス制御サービス(ACS:Access Control Service)はアプリケーションにアクセスするための認証とアクセス許可機能を提供するサービスで、MicrosoftアカウントやFacebookアカウント、Yahoo IDなどを利用してユーザを認証できます。一方でWindows Azure上でディレクトリサービスであるActive Directoryの役割を持つWindows Azure Active Directoryが稼働しています。
今後のロードマップとして、Windows Azure Active DirectoryとACSが統合されることが発表され、まずはWindows Azure Active Directoryの機能としてACS名前空間が管理ポータルで操作できるようになりました。
Windows Azureストアが世界でサービス提供開始(12/21)
Windows Azureで利用できるアプリケーションやデータを直接Windows Azureポータルから利用、管理できるWindows Azureストアは、2012年10~11月に開催されたBuildにて発表、これまで米国のみで提供されていましたが、日本を含む世界でサービス提供開始となりました。
パフォーマンス管理ツールであるAppDynamicsやアプリケーション管理ツールのNew Relic、メール配信サービスのSendGrid、翻訳機能を提供するMicrosoft Translatorなどが提供されています。無料プランも多く用意されており、申込・購入後すぐにWindows Azureの各サービスと組み合わせて利用することができます。
Windows Azure仮想マシンのイメージ更新 および Windows Azure クラウドサービス Guest OS の更新(12/26)
Windows Azure仮想マシンをご利用いただいている場合、2012年12月21日以前にギャラリから作成、またはご自身で作成したLinuxの仮想マシンイメージは、イメージ更新を行うことによりパフォーマンスおよび安定性向上が図られることがアナウンスされました。
また、Windows Azureクラウドサービスは、適切なタイムスタンプ属性のないデジタル証明書の問題(KB2749655 )のため、Guest OS 3.0 / 2.12 / 1.20(Release 201208-02)がサポート対象外となりました。これ以降のバージョンである Guest OS 3.1 / 2.13 / 1.21 (Release 201210-01)をご利用いただくことでこの問題に対応済みとなります。OS更新が自動に設定されている場合は、自動でOSのアップグレード作業が行われます。
馮富久の眼
2013年が明けました。本年もよろしくお願いいたします。さて、Windows Azureに関しては2012年末にいろいろとリリースが行われています。その中で注目したいのが、Windows Azureストアの世界展開スタートです。これにより、Windows Azure上で稼働するアプリやデータが増えることに期待ができます。元々、PaaSとしての利用が多かったWindows Azureにとって得意分野であり、また開発者にとっても、より利便性が上がるでしょう。無料アプリも多く用意されていますので、まずは試してみて、雰囲気を掴んだ方はぜひアプリ開発にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
それでは、本年もよろしくお願いいたします。
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