HAMMER1ファイルシステム
前回はHAMMER2ファイルシステムの使い方を紹介しました。HAMMER2ファイルシステムはそろそろ本格的に使えそうな感じになってきていますが、クラスタリング系の機能はまだとされていますし、HAMMER1ファイルシステムで使えたいくつかの機能は使えなくなっています。HAMMER2ファイルシステムがより完成形に近づくまでHAMMER1ファイルシステムを使うというのはひとつの手ではあります。
HAMMER2とHAMMER1は利用するコマンドが違います。まず、HAMMER1ファイルシステムとして利用したい領域をnewfs_hammer(8)コマンドでフォーマットします。-Lでラベルを指定する必要があります。newfs_hammer(8)コマンドでフォーマットを実施すると次のようになります(もちろん対象領域のデータは消えますので注意してください)。
HAMMER1ファイルシステムでフォーマットした領域はmount_hammer(8)コマンドでマウントします。次のようにHAMMER1とHAMMER2は別のファイルシステムとして区別されていることを確認できると思います。下記の例だと/はHAMMER2ファイルシステム、/mntはHAMMER1ファイルシステムになっています。
HAMMER1で使えた機能でHAMMER2でなくなってしまったものに「undo(1)」というコマンドがあります。そのうちHAMMER2でも使えるようになるかもしれませんが、試したかぎりでは今のところHAMMER1ファイルシステムでのみサポートされているようです。
これは名前のとおり、ファイルシステムに対して行われた変更をアンドゥするというものです。将来にわたってバックアップとして必要という場合には定期的にスナップショットを取る必要がありますが、一瞬前に間違えて実施してしまった操作をなかったことにするなら、このundo(1)コマンドが利用できます。
たとえば、次のようにデータファイルがあったとします。
このデータファイルを削除してみます。当然、削除したファイルはlsで確認しても表示されません。
しかし、HAMMER1ファイルシステムではundo(1)コマンドが使えますので、この消えてしまったファイルを元に戻すことが可能です。次のように引数にパスを指定してundo(1)コマンドを実行すれば失われたデータを戻すといった動作をさせることができます。
操作を間違えてうっかり必要なファイルを削除してしまうことは誰しも経験のあることではないかと思います。削除したことがなくても、削除しそうになってヒヤッとした経験はあるのではないでしょうか。
HAMMER1ファイルシステムとundoコマンドを使うとそんなときになんとか原状復帰させることが可能になります。ヒヤッとしたときにこの機能は心強いものです。もしもこうした凡ミスが多いというのであれば、DragonFly BSDをいれてHAMMER1ファイルシステムで使ってみるというのはいいアイディアかもしれません。使ったことがないのであれば、一度使ってみてはいかがでしょうか。
FreeBSD勉強会
12月7日(木)19:00~ 第68回 BSDTW 2017から注目点紹介+α(ヴァル研 セミナールーム)
2017年11月11~12日に台湾の台北において開催された「BSDTW 2017」の発表内容を要点をしぼって紹介します。日本国外で開催される*BSDカンファレンスとしてはもっとも楽に参加できるカンファレンスでしょう。来年以降の開催時期はまだ決まっていませんが、飯もうまいし参加するにはいいカンファレンスです。どのような発表が行われたのかぜひ聞いていってください。
本勉強会への参加者には抽選か勝ち抜きかでデーモンTシャツなどのグッズをお渡しします :)
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FreeBSD勉強会 発表者募集
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