AWS、さくらのクラウドに続いて、今回はWindows Azureを取り上げます。
Windows Azureと言えばいわずとしれた、Microsoftが手がけるクラウドサービスです。
クラウドプラットホーム全調査: AWSがダントツ, Windows Azureが最近は健闘という記事もあるように、AWS以外では一番伸びているクラウドといってもいいかと思います。
最近のユーザ数の伸びに加えて、クラウディア・窓辺という、クラウドサービスで知る限り唯一キャラクターがいることも特徴の1つです。Windows Azureを使ったことがなくてもクラウディア・窓辺を見たことがある人はいるかもしれません。
2012年からLinux対応も
Windows Azureは以前はWindowsのみの対応だったのですが、今年からLinuxも対応してAWSと差がなくなってきました。
現在のところ、IaaSとしての仮想マシン(AWSのEC2やさくらのクラウドと同種類のサービス)のほかに、PaaSとしてのWebサイト、SQLデータベース、ストレージ、ネットワークサービスなどがあります。Webサイトの作成ではSQLデータベースの他にMySQLも選択することができます。
当初はWindowsやSQLデータベースといった、Microsoftの各種ソフトウェアを利用するためのクラウドだったのが、徐々にMicrosoftが提供する一般のクラウドサービスにシフトしてきているようです。
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リソースの利用上限はありますが、とりあえず試しで使って見る分には十分な内容です。
Webベースのコントロールパネル
Windows AzureにもAWSやさくらのクラウド同様に、Webのコントロールパネルがあります。Windows Azureでは管理ポータルと呼ばれます。こちらから各種リソースの管理をすることができます。
インスタンスの起動が遅い
EC2に相当する仮想マシンについて見てみると、まず起動イメージを選択、コア数やメモリを選択して、各種オプションを選んでインスタンスを起動します。起動するまでの時間がEC2やさくらのクラウドに比べてはるかに遅く、数分かかります。インスタンスが使いたいと思ったときにすぐに使えないのは結構IaaSとしてはネックだと言えます。
またさくらのクラウドもそうでしたが、起動するインスタンスの数を指定することができません。大量に環境を作るにはひとつづつインスタンスを起動する必要があるようです。
コマンドベースでの管理ができるWindows Azure CLI tool for Mac and Linuxは特徴の1つ
ただ、AzureにはWindows Azure CLI tool for Mac and Linuxというコマンドラインツールが用意されています。コマンドラインツールを使用すれば、大量のインスタンス作成なども容易にできるかもしれません。今回「かもしれません」と書いたのは、Macでコマンドラインツールをインストールしたところいろいろ問題にあたって使うことができなかったためです。
まずpkgでインストールしたところ、そもそもazureコマンド自体がエラーで動作しませんでした。そこでNode.jsのnpmからインストールしたところ、コマンド自体は動作するようになりましたが、publishsettingsファイルのダウンロードでエラーとなってしまいました。この原稿執筆時点でv0.6.9がリリース直後だったため、機会があれば改めてコマンドラインツールについては検証してみたいと思います。
起動したら普通にsshでログインすることができます。
セキュリティはインスタンス起動時にパスワードを指定するか鍵をアップロードします。
また、起動しているインスタンスに対して、あとからコア数やメモリサイズの変更を指定して再起動することができます。インスタンスを停止すれば、EC2同様に仮想マシンのイメージを作成することも可能です。
PaaSとしてのWindows Azure
Windows Azureには、IaaSである仮想マシンとは別に、PaaSとしてのWebサイトというサービスもあります。こちらはインスタンスを作成する際にデータベースの有無や種類を指定して起動すると、そのままWebサイトとして使うことができるようになります。コンテンツはFTPやGitでアップすることが可能です。
Webサイトは仮想マシンとは違って、作成すればすぐに起動します。
日本語の情報量が増えてほしい
現在のところAzureの一番の欠点は情報の少なさです。ヘルプトピックもあまり充実していませんし、オンラインフォーラムのコミュニティの情報もあまりありません。前提としてMicrosoftのプロフェッショナルサポートを受けるサービスなのかもしれません。
現在のところ、Windows AzureでできることはたいがいEC2でもできるような気はしますが前述したように一番伸びているクラウドでもあり、またMicrosoftが提供するということでWindows周りに関しては現実的に検討できる選択肢であるといえるかもしれません。
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