低予算で最大限の効果を狙え! リユースサーバ活用の秘訣

第1回データライブに聞く中古(リユース)機器の魅力

中古情報機器協会(RITEA)が2009年8月に発表したところによると、パソコンやサーバ、モニタ、コピー機などの中古情報機器の販売台数は243万台と、前年比110%増加しています。なかでも中古サーバについては販売数約7万台、前年比115%増加しています。パソコンやワークステーション、サーバからなる情報機器本体合計では、製造年から3年以内のものが約4割を占めており、新しい製品の取引が多いことがわかります。新品のパソコンの出荷台数が伸び悩んでいるなか、リユース(中古再生)市場が拡大するのには、どのような理由があるのでしょうか。本連載では、その代表的企業であるデータライブへの取材を中心に、その謎を探ります。

システム開発から機器の中古再生まで業務を拡大

データライブは、サーバやネットワーク機器、パソコン、周辺機器のリユース販売、システム開発を行う企業。⁠リユースサーバ」⁠リユースネットワーク」⁠リユースPC」という3つのWebサイトで機器の販売を行っています。同社は2003年設立で今年7期目になります。⁠もともとはシステム開発のみを行っていました」と語るのは、同社代表取締役社長 山田和人氏。秋葉原に本社を移したのをきっかけに、IT機器の取り扱いを開始したそうです。

データライブ⁠株⁠代表取締役社長 山田和人氏
データライブ(株)代表取締役社長 山田和人氏

リース会社の倉庫に出入りするようになって気づいたのが、意外にもサーバやネットワーク機器がたくさんあること。こうした機器にはキーボードやマウスなどは付属していないこともあり、IT機器でなく正体不明な金属の固まりとして放置されていることも多かったようです。⁠エンジニア目線からすると憧れの名機がたくさんあり、倉庫に眠らせておくのはもったいないと、再生して販売することにしました」と山田氏は当時を振り返ります。

新品の機器とリユースサーバの選択

欧米ではリユースは大きなマーケットとなっており、コストや納期・信頼性といった調達の目的に合せて、上手にリユースサーバ市場が活用されていますが、日本ではまだまだこれから。その理由には、中古だと壊れやしないか?という、心配性な日本人の気質があります。⁠自信を持って中古品を提供できる、ユーザの不安を払拭できるような業者がほとんど無かったことが、日本でこれまでリユース市場が活性化しなかった原因ではないでしょうか」と山田氏は指摘します。

新品をメーカから購入し、24時間365日のサポートを付けて運用を開始したほうが安心、という方は多いかもしれません。ここで、機器が故障した場合について考えてみたいと思います。数時間以内にサポート要員が駆けつけたとして、その場で解決できる保証はありません。専門のエンジニアに連絡して原因を調査し、代替機を手配、交換といった時間を考えると、サービス停止は免れません。⁠それよりもコールドスタンバイしたリユース機器に交換し、故障時にすぐに交換すれば、サービス停止は一瞬で済みます。重要なのは故障原因を探ることではなく、システムのダウンタイムを最低限にすることです。既存の保守契約を見直して、交換用にリユース機器を購入されるユーザも多いです」と。

リユースサーバの高品質・高信頼性

しかし、リユース機器が故障することはないのでしょうか。この点について山田氏は「ハードディスクや電源、ファンといった稼働部分の故障は、新品中古を問わず起きる可能性があります。しかし、データライブでは検査基準を設けて、その基準をクリアしたもののみを出荷するようにしていますので問題ありません」とコメント。リユース機器の安全性は、データライブでは確保されているようです。

新品を購入すると初期不良が起きる可能性がありますが、リユースではある程度稼働していた機器であるため、そのような心配はほとんどありません。他のユーザが⁠試用⁠済みと考えると、新品よりむしろ安心感があります。たとえるなら、初飛行するジェット機に乗るより、一定期間運行しているジェット機に乗ったほうが安心できるということでしょう。

新品よりも早く確実な納期

さらにリユース機器には、スピード感があるというメリットもあります。新品の機器をメーカに注文した場合、数週間から数ヵ月待たされることもしばしば。納品日が不明確であることも多いです。一方、リユース機器の場合は、すでに実機があるために迅速な納品が期待できます。データライブの場合、注文から5営業日で納品が可能だそうです。⁠緊急依頼で、注文当日に納品したケースもあります。アメリカに在庫がある機器でも、5営業日で納品します」と山田氏はいいます。代替機としてだけでなく、構築期間が短く1日でも早く機器を入手したいという場合にも、リユース機器は活用できそうです。

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他業者との比較したメリット(調達力)

データライブには、新品在庫がない機器やどんなマイナーな機器であれ、世界中から探し出せる強みもあります。その一例として、山田氏は大手システムインテグレータからの相談例をあげ、⁠同社ではサーバを客先に至急納品する必要がありましたが、この会社がパイプを持つ米国のメーカルートではどうしても手に入りませんでした。我々のネットワークで、オランダのアムステルダムから在庫を調達し、無事納品したことがあります」とコメント。北米や欧州、アジアなどの海外市場や新古品を専門に取り扱う業者との太いネットワークは、困ったときに役に立ちそうです。

もともとシステム開発業からスタートしたという経緯もあり、ピンポイントの型番指定で機器を販売するだけでなく、ユーザーが行いたいサービス概要を聞き、最適な構成の機器を提案することも可能だそうです。⁠新品であれ中古であれ、機器は高品質、高信頼であるべき。自分が逆の立場だったときに、枕を高くして寝られるシステム/機器の構築と提供がデータライブの使命です。そうした願いを込めて、中古ではなくリユースという表現を使っています」と、最後に山田氏はコメントしました。

次回連載では、リユースサーバを活用するユーザ事例を紹介します。

関連URL

リユース機器の検索と購入
リユースサーバ
URL:http://www.reuseserver.net/
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リユースネットワーク
URL:http://www.reuse-network.net/
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リユースPC
URL:http://www.reusepc.net/
データライブ
URL:http://www.datalive.co.jp/

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