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第12回 100Gbps×2のリンクアグリゲーション@Interop Tokyo 2011

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Infinera DTN

Infinera DTNは,100GbEを40G(OTU3)+10G×6のBandwidth Virtualization機能によりマッピングし,100Gの帯域を作り出しています。

昨年のInterop Tokyo 2010でも,Infinera DTNを利用して10G×10を100Gに見せかけるInverse Muxが利用されていましたが,今回は40Gが1波分利用されて合計100Gが実現されています(参考:世界初の100GbE-LR4運用@Interop ⁠去年のInterop Tokyo 2010で書いた記事⁠⁠。

Ciena ActivFlex 6500の1波での100G実現の方が派手さがありますが,10Gから100Gまでの移行期には,このようにさまざまなものを混ぜ合わせて100Gを実現する技術が重宝がられる気がします。

Ciena ActivFlex 6500

昨年展示されていたアルカテルルーセント1830 PSS-32による1波 100Gは独自方式でしたが,今年のCiena ActivFlex 6500による1波100Gは,標準化されたOTU4を利用しています(参考:世界初の100Gbps 1波伝送実運用@Interop⁠。その中で利用されている具体的な技術は,DP-QPSK(Dual Polarization Differential Quadrature Phase Shift Keying)です。

この技術は,変調された4つの光位相をかけて2ビットとして表現し,それを直行する2つの偏波として送受信するというものです。送信されるシンボルは25Ghzですが,各シンボルが2ビットを表し,それが2つの偏波として送信されるので合計100Gになります。

この100Gは複数の技術の組み合わせで実現していますが,そのうちの1つが同じ波長で複数の光を同時に送る技術である「偏波多重技術(PDM, Polarization Division Multiplexing⁠⁠」です。光は振動しながら光ファイバの中を進みますが,その振動の向きは「偏波(へんぱ⁠⁠」と呼ばれます。水平方向に振動しながら光ファイバ内を進んで行く水平偏波と,垂直方向の垂直偏波の二つは,同一の光ファイバ内で混信せずに送ることができます。全く同じ周波数で,この2つを同時に使うことで,送信可能な波の数を倍にできます。

PDM(Polarization Division Multiplexing / 偏波多重技術)

PDM(Polarization Division Multiplexing / 偏波多重技術)

もう1つの技術が流れているアナログ信号の位相によって判断を行う位相偏移変調(PSK / Phase Shift Keying)です。単純なものとしては,0と1のバイナリ値を表現するのがBPSK(Binary Pharse Shift Keying)がありますが,これは,流れている信号の位相を180°ずらした2つの信号を0と1へとマッピングするというものです。

BPSKは,180°ずらした二つの信号を利用して0と1の2種類の値を表現していますが,90°ずらした4つの信号を利用するのがQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)です。 QPSKでは,1つのシンボルで表現できるパターンが4パターンになります。

その4つのパターンは,2ビットの表現にマッビングすることができます。たとえば,通常の波形に00,90°進んでいる波形に01,180°進んでいる波形に10,270°進んでいる波形に11を割り当てるといった感じになります。以下の図は,90°,180°,270°進んだ波形を示しています(点線部分は0°の基本波形です⁠⁠。

QPSK

QPSK

QPSKは,基本となる波形との差分でビットを表現しますが,その応用としてDPSK(Differential Quadrature Phase Shift Keying)があります。 DQPSKは,直前のシンボルとの差分で情報を伝えます。たとえば,直前のシンボルと同じものは00,90°進んだものは01,180°進んだものは10,270°進んだものは11といった具合にシンボルの差分に対して2ビットが表現されます。

200GbpsのLAGって想像がつかない…

100Gbpsでも恐ろしく広帯域な通信だと思えるのですが,リンクアグリゲーションで200Gbpsというのは,さらに凄くて想像がつかない今日この頃です。でも,数年すれば,こういうのが各所で使われるようになるのかもですね。

著者プロフィール

あきみち

「Geekなぺーじ」を運営するブロガー。

慶應義塾大学SFC研究所上席所員。全日本剣道連盟 情報小委員会委員。通信技術,プログラミング,ネットコミュニティ,熱帯魚などに興味を持っている。

近著「インターネットのカタチ - もろさが織り成す粘り強い世界」

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