インターネットを支える技術者たちの集い―gihyo.jp×JANOG presents

第6回IPアドレスの行方(仮)

はじめに

現在のインターネットを形成しているIPv4アドレスは2011年夏(つまり来年のこの時期)には枯渇すると言われています。

そんな中で、2010年1月に1.0.0.0/8(以下1/8と表記)がAPNICに割り当てられました。JANOG25の本会議およびメーリングリスト上でさまざまな意見が取り交わされました。

また、一方でAPNICによる1/8のパケット到達性や経路到達性の実験が行われました。

これらの出来事に焦点を当てたのが2日目(7月9日)の最終プログラム ⁠IPアドレスの行方(仮)」です。

なお、JANOG26のプログラムは以下のURLにて公開されていますので、併せてご参照ください。

JANOG26 Meetingプログラム
http://www.janog.gr.jp/meeting/janog26/program/

IPv4アドレスは本当になくなるのか?

1990年後半のインターネットの急激な普及により、IPv4アドレスの枯渇が懸念されるようになりました。APNICのGeoff HustonはIPv4アドレスの枯渇予想を下記のURLで示してます。

本文執筆(2010年6月14日)時点での枯渇予定はIANAのRIRへの割り当てが終了するのが、2011年8月9日、各RIRが保持するIPアドレスが終了するのが2012年4月16日となっています。

現時点でIANAの保持するクラスAアドレス/8は残り16個となっています。このうちIANAの保持するクラスAアドレスが残り5個となった時点で、各RIR(ARIN、RIPENCC、APNIC、LACNIC、AfriNIC)に自動的に割り当てられます。目前と迫った危機であると言えるでしょう。

IPアドレスはどの様に私たちの元に届けられるのか?

 IPアドレスのイメージ
図 IPアドレスのイメージ

前述のようにIPアドレスの管理はIANAが行っています。IANAは各RIRの使用状況・申請内容を考慮し、各RIRにIPアドレスの割り振りを行います。

各RIRはこのIPアドレスが使用に耐えうるかどうかを確認し、各NIR(日本であればJPNIC)に割り振りを行います。NIRは各ISPに割り当てを行い、IPアドレスはユーザ宅や各企業へと届けられます。

一般的にユーザ宅内や企業ネットワーク内は、プライベートアドレスを使用して通信を行います。使用可能なプライベートアドレス空間は、RFC1918に定義されています。プライベートアドレスはインターネットに出るためのルータを通過した際に割り当てられたグローバルアドレスに変換され、外部との通信が可能となります。

RFC1918プライベートアドレスに関しての詳細は下記を参照して下さい。

1.0.0.0/8の何が問題なのか?

前回のJANOG25およびJANOGメーリングリスト上で問題点として指摘されたものとしては、次のような内容があります。

  1. RFC1918的に内部通信に使われている
  2. 他経路に比べてbogonが多い

こういった点で、1/8を実運用で使うとなると問題が発生するのでは?と議論になりました。

bogon/bogonフィルタとは?

bogonという言葉を聞きなれない方も多いかもしれません。実ネットワークで使用されていない(されるはずのない)IPアドレスやAS番号のことを⁠bogon⁠といいます。

このアドレスが偽造されDoSアタックなどに使用されぬように各ISPのルータやサーバでは、これらのアドレス/AS番号をフィルタするbogonフィルタを実装しています。

1/8はIANAよりAPNICに割り当てを行われる前に、bogonとして扱われてきたということになります。

このプログラムでは?

現時点での1/8の問題点を改めて説明します。

またAPNICの協力の元、1/8や同時に割り当てられた27/8(27.0.0.0/8)のパケット到達性や経路到達性の実験を行っています。実験結果とbogonフィルタの実情を共有し、注意すべきポイントと今後の対応策について議論が取り行わる予定です。

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