シルバーウィーク最終日の今日、みなさまいかがお過ごしでしょうか。渋滞の真っ只中、または家でまったりと、そもそもシルバーウィークが休みではない、など様々かと思います。秋が深まるこの季節、夏の思い出を収めたデジカメ画像を整理してみてはいかがでしょう。
デジカメ画像の管理アプリケーション
Ubuntu標準のデジカメ画像管理アプリケーションは、「 F-Spotフォトマネージャ」です(図1 ) 。写真の取り込みから、タグ付け、写真の回転、撮影時刻の修正、簡易編集、スライドショーと必要十分な機能を備えています。また、編集前、編集後の両方を保存しておけるバージョン管理機能など、一歩踏み込んだ使い方ができるようにもなっています。
図1 Ubuntu標準のデジカメ画像管理アプリケーション「F-Spot」
英語版のみですが、GoogleのPicasa 3.0 for Linux を利用することもできます(注1 、図2 ) 。
図2 Google Picasa 3.0 for Linux
以上のように、アプリケーションを用いて、タグを通して管理する先進的な方法も便利ですが、筆者は、フォルダやファイルで直接管理する方法を好んでいます。フォルダやファイルで直接管理するとき、カメラが1台の場合は、撮影した順に連番のファイルが作成されるため、何も問題はないのですが(図3 ) 、家族で何台も持っている場合や、同行者のファイルを受け取ったときなど、カメラごとに別々のフォルダで管理すると一度に閲覧できません。かといって、1つのフォルダに全て放り込んでしまうと、カメラごとにファイルの命名規則が異なるため、撮影順に並べられません。
そこで今回は、「 pyRenamer」を使って、大量のデジカメ画像のファイル名を一括で変更して管理する方法を紹介します。
図3 カメラ1台の場合は、Nautilusでも撮影順に並ぶ
pyRenamerのインストール
pyRenamerは、Pythonで書かれたアプリケーションで、本来コマンドが得意とする大量のファイルの名前変更をGUIから実行できるアプリケーションです。
インストールは、[アプリケーション]-[追加と削除...]を開き、「 表示:」の箇所を「全てのオープンソースアプリケーション」または「全ての利用可能なアプリケーション」にして、「 pyrenamer」で検索します。「 pyRenamer」にチェックを入れて、「 変更の適用」をクリックします(図4 ) 。もちろんSynapticやapt-getを使ってインストールすることもできます。
図4 「 追加と削除」で「pyrenamer」を検索してインストール
[アプリケーション]-[アクセサリ]-[pyRenamer]から起動します。起動すると、上部左側にフォルダ選択、上部右側にフォルダ内のファイル一覧、下部にファイル名変更の設定画面が表示されます(図5 ) 。
図5 pyRenamerを起動したところ
デジカメ画像を撮影日時でリネーム
ここでは、複数のカメラで撮影された写真のファイル名の先頭に、撮影日時を付け加えることで、全ての画像を撮影順に表示できるようにします。ここで注意しなければならないのは、1つのフォルダへの統合は、ファイル名の変更を終えてから行うことです。複数のカメラの中に、同じファイル名のものが含まれている可能性があるからです。まずは、カメラごとにフォルダを用意して、フォルダごとにファイル名を変更していきましょう。
画面上部左側の、フォルダ選択画面で、画像が保存されているフォルダを選択します。すると、フォルダ内のファイルが上部右側に一覧表示されます。次に画面下部で、「 Images」のタブを選択します。「 Renamed file name pattern」の欄にマウスカーソルを合わせると、使用可能なパターンの一覧が表示されます(図6 ) 。
図6 使用可能なパターンを知りたい箇所にマウスポインタを置くと、巨大なツールチップが現れる
通常は、このパターンを組み合わせて、変更後のファイル名を決めていかなければならないのですが、撮影日時をファイル名の先頭に加える設定はすでに用意されています。「 Renamed file name pattern」のプルダウンメニューを展開して、以下のパターンを選択します(図7 ) 。
{imageyear}{imagemonth}{imageday}_{imagetime}_{1}
この設定では、「 2008年9月20日7時56分5秒」に撮影された「CIMG1498.JPG」というファイルの場合、「 20080920_07_56_05_CIMG1498.JPG」というファイル名に変更されます。
ここでの注意点は、変更後のパターンの末尾に必ず「{1}」を含めることです。そうすることによって、変更後のファイル名の末尾に、元のファイル名が含まれるので、元のファイル名に戻したくなったときに、pyRenamerを使って一括で処理できます。また、デジカメの連写機能などを使って1秒間に何枚も撮影している場合、元のファイル名を末尾に含めておかないと、同じファイル名になってしまうファイルが複数存在することになり、エラーが出ます。
図7 プルダウンから、初期設定で用意されているパターンを選択
次に「Preview」をクリックし、「 Renamed file name」の欄に表示されているファイル名が想定通りかよく確認します。間違いない場合は「Rename」をクリックすると実際にファイル名の変更が行われます(図8 ) 。
図8 「 Prevew」をクリックし、変更後のファイル名が想定外のものになっていないか確認して「Rename」
全てのカメラの画像のフォルダを1つずつ処理していき、全ての処理を終えたら、1つのフォルダにまとめます。筆者は、フォルダ名を「2008-09-20--Camp」のように「西暦-月-日--イベント名」としています。ここまでの作業によって、カメラの種別に関係なく、撮影順に画像が並ぶようになります。
ファイル名を元に戻す場合
デジカメ画像のファイル名を変更してしまうと、携帯電話のデータフォルダでは閲覧できなくなる場合があります。そこで元のファイル名に戻す方法も紹介します。
先ほどの命名方法では、「 20080920_07_56_05_CIMG1498.JPG」のようなファイル名となっていて、これを「数字_数字_数字_数字_残り」と解釈して、残りの部分を取り出す処理をすればよいわけです[2] 。
そこで、「 Original file name pattern」に以下のパターンを入力します。
{#}_{#}_{#}_{#}_{X}
「Renamed file name pattern」の欄には、「 5番目の要素のみをファイル名とする」という意味で「{5}」を入力します。先ほどと同様に、「 Preview」をクリックして確認してから、「 Rename」をクリックすると実際に元のファイル名に戻ります(図9 ) 。
図9 「 Preview」をクリックして、元のファイル名に戻っているか確認して「Rename」をクリック
または、画面下部の「Insert / Delete」タブを選択して、「 Delete from 1 to 18」として、ファイル名の先頭から18文字目までを削除する方法でも同じことができます(図10 ) 。
図10 ファイル名の先頭から18文字目までを削除する方法でも、元のファイル名に戻せる
音楽ファイルをリネーム
pyRenamerは、音楽ファイルに埋め込まれたメタデータを解釈して、曲のタイトルや、アーティスト名をファイル名に反映できます。音楽フォルダには、大量の楽曲ファイルがあるでしょうから、音楽フォルダに含まれているファイル全てを一度に処理できるようにします。画面左側のフォルダ選択画面で音楽フォルダを選択した状態で、[View]-[Show options]にチェックを入れて、画面右端に「Options」欄を表示させます。次に「Add files recursively」にチェックを入れると、音楽ファイル内のファイルが全て表示されます(図11 ) 。
図11 「 Add files recursively」にチェックを入れると、下位階層も含め全てのファイルが表示される
フォルダ内に複数の形式の音楽ファイルが混在している場合、「 Original file name pattern」を「{X}.{C}」として、「 Renamed file name pattern」の末尾に「.{2}」と付け加えて、同じ拡張子が付けられるようにするとよいでしょう。