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第227回Ubuntu Accomplishmentsでトロフィーを集めよう

「Ubuntu Accomplishments」は、コミュニティ活動を行うための第一歩を示し、Ubuntuコミュニティへ参加したユーザーを導くためのツールです。4月末にはじめてのリリースが行われ、実際に一般ユーザーも使えるような状態になってきました。

そこで今回はUbuntu 12.04 LTSからUbuntuコミュニティに参加したユーザー向けに、⁠Ubuntu Accomplishments」の使い方を紹介します。

「Accomplishments」とは?

Ubuntu Accomplishmentsは、UbuntuのコミュニティマネージャーであるJono Baconが開発した、Ubuntuのコミュニティ活動に応じて各種トロフィーを授与し、獲得したトロフィーを表示できるシステムです。

図1 Ubuntu Accomplishmentsのトロフィー
図1 Ubuntu Accomplishmentsのトロフィー

Ubuntuはリリースごとにユーザーを増やしており、コミュニティの大きさに比して貢献の幅も広がっています。しかしながらそのために、初心者ユーザーにとって何から貢献すればいいかよくわからない、貢献しようとしてつまづく人をフォローできない、貢献度が高い人を見つけ辛いという弊害も出てきました。

そこでゲーム感覚でかんたんな内容から徐々にステップアップ形式で貢献できるように、また達成した項目をトロフィーとして表示することでこれまでの活動を見られるように、⁠Ubuntu Accomplishments」が開発されたのです。

ちなみにaccomplishmentは「業績や成果」という成し遂げた結果や「嗜みや教養」といった教育や習い事で身につけた何かを意味する単語です[1]⁠。Ubuntu Accomplishmentsでは、獲得したトロフィーや獲得する段階で身につけた知識、その成果をひっくるめて「Accomplishment」と呼んでいます。

Ubuntu Accomplishmentのインストールと初期設定

Ubuntu Accomplishmentの最初のリリースは4月後半だったため、残念ながら最新のUbuntuである12.04にも公式リポジトリにはパッケージが存在しません。そこでまずPPAを登録した上でパッケージを導入してください。

$ sudo add-apt-repository ppa:ubuntu-accomplishments/releases
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install accomplishments-daemon \
    accomplishments-viewer ubuntu-community-accomplishments

起動はDashから「Accomplishmentsビューアー」を検索します。端末からなら「accomplishments-viewer」を実行するとよいでしょう。

図2 初回起動時はUbuntu Oneへの登録が促される
図2 初回起動時はUbuntu Oneへの登録が促される

起動すると最初のウィンドウでCanonicalが運営するオンラインストレージサービスであるUbuntu Oneアカウントの登録が促されます。これはトロフィーの獲得状況をUbuntu Oneに保存するだけでなく、Ubuntu Oneから達成の確認を行う認定サーバーとの通信を行うためです。

そこで「Register with Ubuntu One」ボタンを押して表示されるウェブページから、Ubuntu Oneのアカウントを作成しておきましょう。ちなみに、Ubuntu Oneに登録すると無料で5GBのスペースが付与されますので、Dropboxのような使い方もできます。加えてUbuntu Oneクライアントも設定する必要があるようです。Ubuntu 12.04なら画面左のUbuntu Oneアイコンからクライアントを設定できるので、さきほど作成したアカウントを使ってクライアントの設定を負えておきましょう。

次に登録したUbuntu Oneアカウントへのアクセス権限をビューアーに付与します。一度「Register with Ubuntu One」ボタンを押すと、同じボタンが「Click here to confirm your Ubuntu One account」という名前になっていますので、再度クリックします。さらにラベルが変わるたびにボタンを押していき、⁠Successfully shared. Click here to continue...」と表示されたら成功です。

図3 Ubuntu Oneアカウントとの同期設定完了
図3 Ubuntu Oneアカウントとの同期設定完了

その状態でもう一度ボタンをクリックすると、今度はLaunchpadに登録したメールアドレスを尋ねられますのでそれも答えておきましょう。これにより、Ubuntu OneサーバーがLaunchpadと通信して、Launchpadを使って確認できる項目が達成済みかどうかをチェックします。⁠編集→Identification」でも設定できます。

図4 ⁠クレデンシャルの編集」を押してLaunchpadのメールアドレスを設定する
図4 「クレデンシャルの編集」を押してLaunchpadのメールアドレスを設定する

ここまで設定すると、達成済みの項目を自動的にチェックします。

トロフィーを入手する

アカウントを設定して少し待てば、既に達成済みのトロフィーが自動的に獲得状態になります。過去にLaunchpadに不具合報告したことがある人であれば、⁠Registered on Launchpad」だけでなく、⁠Report First Bug」なども獲得扱いになるでしょう[2]⁠。

図5 達成が確認されると通知領域にトロフィーを獲得した旨が通知される
図5 達成が確認されると通知領域にトロフィーを獲得した旨が通知される
図6 獲得したトロフィーは「自分のトロフィー」で確認できる
図6 獲得したトロフィーは「自分のトロフィー」で確認できる

「自分のトロフィー」には獲得済みのトロフィーが、⁠チャレンジ」には獲得可能なトロフィー一覧が表示がされます。

トロフィーには依存関係があります。たとえば「Bug Control Member」を達成するには先に「Bug Squad Member」を達成する必要がありますし、その「Bug Squad Member」を達成するにはまず「Signed Ubuntu Code of Conduct」を達成する必要があります。特に「Registered on Launchpad」はUbuntuコミュニティで活動する上でほぼ必須の条件となりますので、まずはこれを達成しないと他の項目に着手できません。

現時点で依存関係によって着手できない項目については、ロックアイコンが表示されるので、トロフィーを獲得したい場合はロックが外れているものから調べていきましょう。

図7 現時点で着手できない項目はロックアイコンが表示される
図7 現時点で着手できない項目はロックアイコンが表示される

「チャレンジ」にあるトロフィーをダブルクリックすることで、獲得手順にヒントやコツ、遭遇しやすい問題や相談相手などが詳しく表示されます。

図8 手順だけでなく、未解決の依存関係についても表示される
図8 手順だけでなく、未解決の依存関係についても表示される

Launchpadを登録したあとに簡単なのは、⁠Report First Bug」「Signed Ubuntu Code of Conduct」でしょう。

「Report First Bug」はLaunchpadに不具合を報告するだけで達成です。さらに他の人もその不具合が発生することを確認して「confirmed」状態になると、⁠Filed Bug that was Confirmed」も獲得できます。

「Signed Ubuntu Code of Conduct」は、第46回で紹介した、⁠公開鍵の登録」「CoCへの署名」を参考にすると良いでしょう。

図9 何か達成することで他の項目のロックが解除されたことも通知される
図9 何か達成することで他の項目のロックが解除されたことも通知される

OSC 2012 Sendaiに参加して君もトロフィーゲット!

変り種のチャレンジ項目としては「Attend LoCo Team Event」があります。これは世界中の各地域にいるLoCoチーム(Local Community Team)が開催や参加するオフラインのイベントに参加したかどうかを問うものです。

LoCoチームのイベントは、LoCo Team Portalに登録されることがあります。このサイトに登録されたイベントは、LaunchpadのIDを使って、⁠出席・出席するかも・欠席」を設定できるのです。よってUbuntu Oneサーバーはユーザーが何かのイベントに出席したかどうかをこのサイトに問い合わせて確認します。

Ubuntu Japanese Teamは、2012年7月14日(土)に仙台で開催される、OSC 2012 Sendaiに参加します。そこで、LoCo Team Portalのイベントページにも情報を追加しておきました。もしOSC 2012 Sendaiに参加できそうであれば、登録済みのLaunchpadのIDを使って、LoCo Team Portalにログインした上で、イベントページ右上にある「Register」から「出席」にチェックしてみてください。

図10 ⁠出席」にすると出席者リストに表示される
図10 「出席」にすると出席者リストに表示される

OSC 2012 Sendaiに参加したら再びAccomplishmentsビューアーを起動してみましょう。⁠Attend LoCo Team Event」「自分のトロフィー」に追加されるはずです!

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