Ubuntu Weekly Recipe

第252回 コンバーチブルPCでUbuntuを使う

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ハードウェアの動作確認

CF-AX2の場合,サウンドも無線LAN,有線LAN,Bluetoothも特に問題なく認識,動作します注1⁠。インストール中にカーネルのアップデートや(日本語Remix以外を使う場合は)言語パックの適用を行いたいなら,インストール時に無線LANの設定を行っておきましょう。

ウェブカメラも認識されるので,インストール時に画面の前に座っている人が表示されますが,そこは我慢して「次へ」を押してください注2⁠。

Intelのグラフィックドライバーが使われるのでインストール後は追加のドライバーを導入する必要なく,3Dアクセラレーションの効いたUnityが動作するはずです。

Unityの動作が遅い場合は端末から次のコマンドを入力して,どれかがnoになっていないか確認してみましょう。

$ /usr/lib/nux/unity_support_test -p
OpenGL vendor string:   Intel Open Source Technology Center
OpenGL renderer string: Mesa DRI Intel(R) Ivybridge Mobile
OpenGL version string:  3.0 Mesa 9.0

Not software rendered:    yes
Not blacklisted:          yes
GLX fbconfig:             yes
GLX texture from pixmap:  yes
GL npot or rect textures: yes
GL vertex program:        yes
GL fragment program:      yes
GL vertex buffer object:  yes
GL framebuffer object:    yes
GL version is 1.4+:       yes

Unity 3D supported:       yes
注1
WiMAXはデバイスとしては認識されるものの,Ubuntuでは日本のWiMAXプロバイダーを利用するような設定ができません。
注2
我慢しなくてもいいフェイス力の高い人は,その場でユーザー用のアバターを撮影すると良いでしょう。

サスペンドとレジューム

サスペンドとレジュームも問題ありません。サスペンドとレジュームが正しく行われたかどうかを確認したいなら,ふたを閉じたあと,しばらくして再びふたを開き端末から次のコマンドを入力してください。

$ dmesg | less

次のメッセージの少し前から,サスペンドが開始しています。

[29891.645929] PM: Preparing system for mem sleep

レジュームは次のメッセージ前後からの開始です。

[29892.753289] ACPI: Low-level resume complete

これらのメッセージから一番最近のログまででエラーが発生していないようなら,特に問題ないと考えて良いでしょう。

外部ディスプレイ

HDMI/VGAともに接続しただけで,システム設定の「ディスプレイ」が認識します。また,Ubuntuの場合は外部ディスプレイ単体にしなくても,FullHDでの表示も可能でした。

図3 システム設定の「ディスプレイ」で状態を変更できる

図3 システム設定の「ディスプレイ」で状態を変更できる

Fn+F3キーを押すことで,LCD単体,外部ディスプレイ単体,画面のミラー,通常の外部ディスプレイと設定を切り替えることができます。

ハードウェアキー

Fnキーの動作も輝度やボリュームの設定,ミュートの場合は特に問題ありませんでした。バッテリー通知は,NotifyOSDではなく統計情報のウィンドウが表示されます。Fn+F7,Fn+F10はどちらもサスペンドになります。Fn+F8のプロジェクターヘルパーは画面が一度再起動する以外に特に動作しませんでした。

起動時のロゴ画面でF2キーを押しUEFIの設定ツールを起動すれば,FnキーとCtrlキーの位置を入れ替えることが可能です。キーボードの左下はCtrlでないと許せないという人はこちらから設定すると良いでしょう。

また,CF-AX2の場合,タブレットモードでの用途を想定していくつかのハードウェアキーが備わっています。

  • タッチパッドにあるキーボードロックキーを押せばキー入力がロックされます。
  • サイドのボリュームキーで音量を調整できます。
  • サイドの画面回転ロックキーは,Ubuntuの場合Superキーとして認識されるようです。
  • サイドのWirelessスイッチをOFFにすると無線LAN,Bluetoothともにオフとなります。
  • ディスプレイ上部のWindowsキーは,Superキーとして認識されます。

ちなみにキーボード自体がちょっと固く,しっかり上から押さないと入力されなかったり,FnキーやAltキーが入りっぱなしになることがあるようです。

SDカードスロット

CF-AX2にはSD/SDHC/SDXCに対応したカードスロットが内蔵されていますが,Ubuntuの場合そのままだとドライバーが存在しないため認識しません。

lspciコマンドを使うと,RealtekのPCIeカードリーダーであるRTS5229であることがわかるので,Realtekのサイトから,Linux用のドライバーのソースコードをダウンロードし,ビルドしましょう。

$ sudo apt-get install build-essential linux-headers-generic
(ダウンロードしたソースコードを展開する)
(Makefileがあるディレクトリに移動する)
$ make
$ sudo make install
$ sudo depmod
$ sudo modprobe rts5229
$ sudo sh -c "echo rts5229 >> /etc/modules"

これで,SDカードスロットにSDカードを挿入すると,自動的にマウントされてファイルブラウザーが起動するようになります。

カーネルアップデート時にドライバーを自動でビルドしたい場合は,DKMSを使うようにしてください。

バッテリー

CF-AX2には,交換可能なバッテリーと内蔵の,2つのバッテリーが搭載され,片方はホットプラグに対応しているという大きな特徴があります。このため,コンセントがない環境でも,電源を切ることなくバッテリー交換ができるのです。

Ubuntuの場合も,バッテリーインジケーターに2つのバッテリーが表示されます。また,交換可能なバッテリーが切れたら自動的に内蔵バッテリーに切り替わってくれますし,電源が入っている状態で,交換可能なバッテリーを取り外しても特に問題は起きません。

図4 片方のバッテリーが切れた状態

図4 片方のバッテリーが切れた状態

ちなみに,無線LANとBluetoothがオンの状態で,テキストエディタで編集しながら,ウェブブラウザーのTwitterやGmailを起動したままブラウジングをする状態だと,4時間ぐらいで交換可能なバッテリーが,さらに2時間ぐらいで内蔵バッテリーが切れるぐらいの駆動時間になりました。

液晶の輝度も含めて,特にチューニングは行っていないため,調整すればもっと駆動時間は伸びるものと思います。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。