2013年5月25日(土) 、六本木ヒルズ森タワー、グリー( 株) 会議室にて「Ubuntuオフラインミーティング2013.05 Tokyo」が開催されました。会場内でレポート執筆者を募ったところ、参加者の中から手を上げていただいた小知和 渓(こちわ けい)氏にご執筆いただきました。
こんな人ですの説明開始
酒の勢いで挙手をしたら某ポルナレフの如く記事を執筆させていただけることになりました小知和です。普段はWindowsで携帯電話向けのゲーム開発を行っている何処にでも居るゲームの企画屋から見たUbunutuオフラインミーティングの体験を、レポート形式で紹介させていただきます。それでは、はじめさせていただきます。
グリーさんありがとう!――感謝の気持ちで開催された「Ubuntuオフラインミーティング2013.05 Tokyo」
2013年5月25日、六本木ヒルズ森タワー。五月晴れの空の下、グリーさんに提供していただいた会場で「Ubuntuオフラインミーティング2013.05 Tokyo」が開催された。土曜日にも関わらずスーツ姿のビジネスマン達が行き交う光景をエントランス内から遠巻きに眺めながら、筆者は受付を済ませる。少しの不安と少しの高揚感が受付を行うエントランス内に満ちているように感じられる。
六本木ヒルズ森タワー
受付が一段落し会場に案内されると、恒例らしい参加者参加型の会場準備にとりかかる。筆者が会場に入って思ったのは、参加人数が64人前後の割りにはイスが多い、という的外れな感想だった。参加者全員の協力により無事に会場の準備が終了する。筆者は邪魔にならないようにシャンパンが入ったコップを粛々と回す。希望者の方々にシャンパンが行き渡ったことを確認してから筆者はちびちびとシャンパンを舐めはじめる。やはり昼間から飲む酒は美味しい。
差し入れのシャンパン
お酒と軽食を胃の腑に収め気分が良くなった筆者はセミナー予定を反芻する。
当日のセミナー予定
当日のセミナー予定は以下。
「新フレーバーUbuntu GNOME概要」あわしろいくや氏
「ARMでUbuntu、ホントはどれぐらい使えるの?」しばたみつや氏
「アナタも書けるUbuntu Weekly Recipe(仮題) 」まんじゅ(´ん`)氏
「Ubuntu Server関連のなにか」hito氏
「WindowsでもUbuntuでもMacでも使えるエディタはこれだ!」水野源(みずのはじめ)氏
「編集S、うぶんつ愛を語る」編集S氏
ライトニングトーク
「meditというタブ搭載エディタの紹介」くどうとしはる氏
「QtCreatorの紹介」nekomatu氏
「Ubuntu Touchの印刷機能」おがさわらなるひこ氏
会場内で提供されるWi-Fiを利用してiPodから気になるセミナーを8bitの脳味噌にピックアップして記録する。
――「WindowsでもUbuntuでもMacでも使えるエディタはこれだ!」――
恐らくEmacsだろうと思ったが意表をついてVimかもしれないと深読みする。
――「meditというタブ搭載エディタの紹介」――
聞いたことがないテキストエディタだったので物凄く興味が湧く。8bitは辛い。
忘れていたジャンケン大会
シャンパンとサブウェイのサンドイッチを収めた筆者はセミナーがはじまる前に用を足そうと確保した席を立とうとした瞬間、それは唐突にはじまった。
Ubuntu Japanese Teamの主宰、小林準氏
全殺しの異名を冠するジャン鬼(ジャンケンの鬼)――Ubuntu Japanese Teamの主宰、小林準氏――との豪華景品を賭けた真剣勝負が開始される。生理現象と物欲の一騎打ちの末、筆者は――無謀なことにジャンケン大会に参加し瞬殺されるのであった。結局、この日行われたすべてのジャンケン勝負で全負けする運命がすでに決まっていたのかもしれない。雪風のように筆者がジャンケンで勝つ未来を選びたかった。
そして会場に届くピザ
宅配ピザ
失意の中、筆者は再び用を足そうと席を立とうと思った瞬間、時すでに遅く会場内に満たされるピザの香りと共に「新フレーバーUbuntu GNOME概要」のセミナーが開始される。
あわしろいくや氏
休日のデスクトップ環境がUnityだったのでセミナーの内容に強い興味があったのだが……あわしろいくや氏の江ノ電の話を皮切りに筆者は腹の痛さを堪えつつ会場を後にしたのだった。どうでもいいことだが江ノ電と聞いて「宇宙のステルヴィア」を思い出したのは筆者だけではないだろう。
筆者がLinuxに関心を持った訳
あわしろいくや氏のセミナーを聞き逃した筆者はトリスを片手にお菓子をつまみながら、しばたみつや氏の「ARMでUbuntu、ホントはどれぐらい使えるの?」を聞いていた。しばたみつや氏のセミナーで琴線に触れたのは職業柄なのか「Ubuntu Touch」だった。会社の先輩の仕事が落ち着いたころを見計らって「Ubuntu SDK」の話をして技術的な助言を引き出したいところだ。
既視感が絶好調
この体験レポートを執筆中にも関わらず震えが止まらない。これは決して比喩でもなく現在進行形の症状である。そう。何かが可笑しいのだ。筆者はまんじゅ(´ん`)氏のようにTwitterで「Ubuntu可愛い」とか呟いたりしていないのだ。ましてやhito氏にすら声をかけて貰ってもいない。
ここで某吸血鬼漫画の台詞を引用するのならば“ 運命は貴様を駆り立てた” が一番しっくり来るはずだ。あの日を振り返ると「アナタも書けるUbuntu Weekly Recipe(仮題) 」が一番よく聞いておくべきセミナーだったのではと思うのだ。これを読んでいる方々も「自分は大丈夫」といった過信は禁物であるということを伝えておこう。
そして途切れるUstreamの中継と筆者の記憶
hito氏のセミナー内容は何故か記憶が断片化されている。そして筆者の手元にはトリスが握られていた。まるで時間をふっとばされたような感覚だけが残っていた。決して筆者が酔っ払っていなかったことを付け足しておく。
30億の機能が走る――
「WindowsでもUbuntuでもMacでも使えるエディタはこれだ!」ではじまった水野源氏のセミナーは筆者の深読みを見ごとに打ち砕いたものだった。写真が趣味な水野源氏らしくスクリーン上に描画される画像選びは最高にクールであった。毎回、水野源氏と言えばEmacsの話題を提供してくれるエンターテイナーではあるが、流石にここでEmacsを推してはこないだろう、と裏の裏を読んでいた筆者の視界に映る、どこかで見たことのあるアイコンがスクリーンの右端に映し出される――Emacsである。
水野源氏
同僚のプログラマがこのセミナーを目にしたら発狂するか、Vimについて語り出すのか少しだけ興味が湧いたのは筆者だけでよい。ただ言えるのは同僚はEmacsに苦手意識を持っているという事実だけである。
しかし、水野源氏のプレゼンを聞く程にEmacsの凄まじさが伝わってくる。画像編集以外何でもEmacs上でできるのではとか思っていた筆者はとんだ勘違い野郎であった。何故なら近年ではEmacs上で動画編集まで可能になっいるらしいのだ。
嗚呼、Emacsは行く……かと思われた水野源氏のプレゼンだったが〆の部分で意外な展開を見せる。Wineの話題になったからだ。Wineを使えば秀丸もSakuraも動くということで、Windowsを日常的に使っている方はUbuntuに乗り換えてみて、何ら普段と変わることがなくUbuntu上でコーディングができるであろう。
しかし、miはWineでは動かなかった。何故なら彼はWindowsの実行ファイルではなくMacのアプリケーションだからだ。筆者はmiのUbuntu版を強く所望する。シェアウェアになっても購入して使い続ける気であるのをここに表明する。mi大好きです。
出落ちに匹敵する衝撃
Ubuntu Magazinの一読者として編集S氏こと、さとりつ氏のセミナーは衝撃の事実から開始される。「 わたしUbuntu Magazinの編集をやめてました。」本稿を読んでいる方も十二分に衝撃を受けたことだろうと察しはつくが、当日あの会場にいた我々は驚きのあまりイスから転げ落ちた――という訳でもなく。
編集S氏
常識の範囲内で驚きを隠せなかったのは紛れもない事実である。「 行っとけUbuntu道場」が一端、連載を止めたのはさとりつ氏が編集から離脱したことと関係があるのだろうと深読みをしてしまったのである。
おぷ☆すた*でも*やってみようか――組織の命運を背負ったライトニングトーク
とある組織の命運を賭けた伊藤氏なのだが、この場をお借りして感謝の意を伝えたい。「 変な酔っぱらい相手に親切にしてくださってありがとうございました。トリス美味しかったですね。」それにしてもクラウド・コンピューティングか。筆者の知らな技術が世の中には沢山あるのだなということを改めて認識させられるライトニングトークであった。
m繋がりの親近感
結論から言うと「このテキストエディタは凄いですよ」と実際に使いはじめて思った感想である。個人的にお気に入りの点は多々あるが“ Ctlr+B” でのブックマークと“ Alt+上下キー” でブックマーク間をジャンプできるというのは大量のテキストを扱う際に重宝すること請け合いである。
ただし少しだけ気になる点はWindowsで扱うと妙にもっさりとした挙動だと感じる点であろうか。この感覚は自宅で使用しているUbuntuでは感じなかった感覚であった。
これぞライトニングトーク
Qtについてのプレゼンはライトニングトークの本質を教えてくれたものであった。後日、nekomatu氏が記事を執筆するとのことだったのでとても楽しみである。
印刷技術愛好家が普遍的に居るらしい
PCなどで書いたテキストの推敲をする際、一度紙媒体に出力してから推敲を行う方は決してく少なくないはずである。斯く言う筆者も液晶画面よりも紙媒体に出力してから推敲したほうが書き損じなどの発見率が高いというのは言うまでもない。
普段何気なく使うこの“ 印刷する” という行為の技術的な側面を愛してやまない、その方がおがさわらなるひこ氏である。
おがさわらなるひこ氏
わかりやすい喩えを挙げるならばMiG-29かSu-27かというくらい、印刷という行為の愛し方へのアプローチが違うということである。
それにしてもおがさわらなるひこ氏のプレゼンで何度か出てきたティル・カーター氏というIT屋は凄まじい。本来の主業務をおざなりにしてまでも印刷技術に心血を注ぐその姿勢は尊敬の念を禁じ得ないだろう。
撤収、そして筆者たちの飲み会はこれからだ――
17:00。現状復帰のため、筆者たちは100脚超のイスを運営スタッフの方々と共に片づけを開始する。もしかしたらこの日、初めて感じる会場全体の一体感を噛み締めながら筆者はイスを規定線に並ぶように動かし続ける。酔っぱらいもたまには役に立つのである。こうして最後までスタッフの方々と撤収作業を行った筆者たちは夜の六本木へ繰り出すのであった。
さいごに
以上がIT関係のお仕事に従事する方々の中に混じって参加した、一般人の視点から見た「Ubuntuオフラインミーティング2013.05 Tokyo」の体験レポートとなります。
次回も関東で行われるのであればスケジュール管理を間違えずに日々の業務を遂行し、参加したいものです。一緒に参加してくださった方々をはじめ皆さまに感謝の気持ちをお伝えいたします。
ありがとうございました。