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第281回 LibreOffice Impressでデジタルサイネージを作成する

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アニメーション

実のところ前2点を押さえておけば最低限の目的は達成できるわけですが,これだとあまりに寂しすぎます。やはりページ中の文字や画像などのオブジェクトが動いたりしてくれるほうが目を引きます。

アニメーションは思いのままに設定できます。通常は1行ずつアニメーションさせると思いますが,もちろんそれもできますし,細かい設定が不要な場合はオブジェクトまるごとの設定もできます。画像を貼りつけた場合はそれのアニメーションもできます。

アニメーションさせたいもの(行やオブジェクト)を選択して,タスクペインの[アニメーションの設定][追加]をクリックし,適用するアニメーションを指定します。⁠開始]⁠終了]はアニメーションが表示されるタイミングです。通常はアニメーションが動作してから行やオブジェクトが表示されるように指定するでしょうから,⁠開始]タブのアニメーションから選択することになると思います。⁠強調]はその名のとおり行やオブジェクトを強調する際に使用します。全部を強調することは通常ないでしょうから,使用する範囲は限られると思います。⁠モーションパス]は派手に動きますが,これも多用すると見にくくて仕方がないでしょう。今回は自動的に次のページに送られるので,⁠その他の効果]は使用しません。

アニメーションを指定したら,次は[開始][直前の動作の後]にします。言うまでもなく自動なので,デフォルトの[クリック時]というのはあり得ません。あとは順番にも注意してください。文章の行を入れ替えても自動的に順番が変わったりはしません。

表示するタイミングを調整したい場合は,⁠方向]の右にある[...]をクリックし,⁠タイミング]タブにある[遅延]に遅延させる時間を入力してください。基本的には0.5秒刻みですが,直接入力すれば0.1秒とかの指定もできます。もっとも,そこまで求められることはないでしょうが……。

アニメーションを上手に使用するコツは,とにかく何度もテストすることです。一発で意図したとおりに動くことはまずないと考えておくのが無難です。

図4 アニメーションの設定は[開始][直前の動作の後]にすることと,変更順序が重要だ

図4 [タイミング]タブの[遅延]で表示を遅らせることができる。その他細かな設定も可能だアニメーションの設定は[開始]を[直前の動作の後]にすることと,変更順序が重要だ

図5 ⁠タイミング]タブの[遅延]で表示を遅らせることができる。その他細かな設定も可能だ

図5 [タイミング]タブの[遅延]で表示を遅らせることができる。その他細かな設定も可能だ

ナレーションやBGMを入れる場合

あまり使う機会は多くないかも知れませんが,1ページに1つのナレーションやBGMなど音楽ファイルを入れることができます。タスクペインの[画面切り替え][サウンド]がありますので,ここの[ほかのサウンド]で再生したい音楽ファイルを指定してください。再生できる音楽ファイルの形式は,LibOで認識できる形式であることが望ましいのですが,実際にはOSで再生できるものであれば何でもかまいません。UbuntuであればOgg Vorbis形式が望ましいでしょう。

音楽ファイルを使用する場合の注意点は,アニメーションを使用しない場合は[次の時間後に表示]の指定を音楽ファイルの長さと同じかそれ以上にする必要があるということです。もし音楽ファイルの長さよりも短く取ると,途中で切れて次のスライドに遷移します。アニメーションを使用する場合は最後のアニメーションを再生してから[次の時間後に表示]の時間を消化するので,アニメーションを使用するかしないかで指定する時間が大幅に変わることになります。

自動的に再生する方法

Impressには特定の設定を施したファイルを読み込むと自動的に再生する機能はありません。そのぶん,起動時のオプションに⁠-- show⁠をつけ,その後にファイル名を続けて実行すると,即座に実行することができます。ファイル名が決まっているような場合はショートカットを編集して引数を指定し,これを[自動起動するアプリケーション]に登録すると,ログイン直後に自動的にプレゼンテーションを再生することができるようになります。停止する方法はいくつかありますが,もっとも簡単なのはキーボードのEscキーを押すことです。

動画にする

Impressにはプレゼンテーションを動画に変換する機能もないので,もし動画にしたい場合は特別な方法を取る必要があります。一番簡単なのはデスクトップスクリーンを撮影するアプリケーションを使用することです。kazamを使用すると簡単でしょう。Ubuntu 13.04ではパッケージがありますが,12.10以前ではPPAを追加してインストールしてください。

次のコマンドを実行してインストールします。

$ sudo add-apt-repository ppa:kazam-team/stable-series
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install kazam

なお,13.04用の最新版パッケージもありますので,必要に応じてアップデートしてください。メニューは英語ですが,極めてシンプルなメニューなので困ることはとくにないと思います。

撮影した動画を編集する場合は,PiTiViを使用するといいでしょう。以前のUbuntuではデフォルトでインストールされていたので,もちろん12.04以降でもリポジトリにあります。

ちなみに筆者はVirtualBox上の13.04で撮影してみました。⁠File][Preference][Screencast][Record with][H264/MP4]にし[Automatic File Saving][On]にしました。仮想マシンにはそれなりのメモリを割り当てる必要がありそうです。今回は3Gバイトにしましたが,これだと少なすぎてswapへの書き出しが行われてしまいました。PiTiViは執筆期間内に使用法を理解することができなかったため,じっくり取り組む必要がありそうです。

図6 Kazamの設定例。必ずしもこのとおりである必要はない

図6 Kazamの設定例。必ずしもこのとおりである必要はない

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。