Ubuntu Weekly Recipe

第604回 VirtualBox 6.1の新機能

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Nested VM

Nested VMは6.0からAMD-Vを,6.1からはIntel VT-xをサポートしています。Intelは第5世代以降のCore iプロセッサーが必要とのことです。

有効にする方法は簡単で,各仮想マシンの「設定⁠⁠-⁠システム⁠⁠-⁠プロセッサー」タブの「ネステッドVT-x/AMD-Vを有効化」にチェックを入れるだけです図7⁠。もしここにチェックを入れられない場合は対応していないということなので,必要であれば買い替えを検討しましょう※4⁠。

※4
筆者はあまりIntel CPUを搭載したPCを所有していませんが,条件的には合致しているはずのIntel Core i7 7500Uを搭載したノートPCではチェックを入れることができませんでした。特に困ることはないのでこれを理由に買い替えたりはしません。

図7 ⁠設定⁠⁠-⁠システム⁠⁠-⁠プロセッサー」タブの「ネステッドVT-x/AMD-Vを有効化」

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もちろんNested VMを使用するためにはそれなりのCPUパワー,メモリ容量,空きストレージ容量が必要です※5⁠。

※5
筆者のメインPCのCPUであるRyzen 5 3400Gでは,実用レベルにないとはいわないものの,かなり遅いです。

CPUの仮想化機能が必須に

これまではUEFI BIOSでCPUの仮想化技術(具体的には前述のAMD-VやIntel VT-xなど)が有効になっていなくても,仮想マシンのOSが32bitの場合は起動していました。しかし,この6.1からはゲストOSが32bitであっても仮想化技術を有効にする必要があります。

ソフトキーボード

各仮想マシンの「入力⁠⁠-⁠キーボード⁠⁠-⁠ソフトキーボード」でソフトウェアキーボードを使用できるようになりました図8⁠。レイアウトは選択できる上,カスタマイズすることもできます。デフォルトではレイアウトがUSになっているので,右下に3つ並んだアイコンのうち一番左側をクリックするとレイアウトを変更できます図9⁠。レイアウトリストの下にある4つのアイコンのうち左から2番目のボタンだけが押せる状態になっていますが,ここをクリックするとレイアウトをコピーします図10⁠。コピーしたレイアウトを選択するとすべてのボタンが押せるようになります。一番左のボタンをクリックするとレイアウトエディターになり,キーボードや各キーをカスタマイズできます図11⁠。初搭載の機能であるにも関わらず,すごく作り込まれています。

図8 ソフトキーボードの起動直後。⁠レイアウト:US」になっている

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図9 3つ並んだアイコンのうち一番左をクリックするとレイアウトの選択を変更できる

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図10 レイアウトをコピーすると4つのボタンがすべて活性化する

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図11 キーボード全体と各キーの設定をカスタマイズできる

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真ん中のアイコンをクリックすると,表示するキーと配色を変更できます図12⁠。右のアイコンをクリックすると,キーボードをリセットします。

図12 表示するキーと配色を変更できる

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グラフィック機能の変更

各仮想マシンの「設定⁠⁠-⁠ディスプレイ⁠⁠-⁠スクリーン」タブの「グラフィックスコントローラー」ですが,6.0から「VBoxVGA」⁠VMSVGA」⁠VBoxSVGA」の3つから選択できるようになりました。しかし6.1からは仮想マシンがWindowsの場合は「VBoxSVGA⁠⁠,Ubuntuなどの場合は「VMSVGA」が必須になりましたので,6.0以前よりアップデートした場合はこの項目を再確認してください※6⁠。

※6
ただし3Dアクセラレーションを使用しない場合は,Ubuntuなどで「VBoxVGA」「VBoxSVGA」を選択するとエラーにはなるものの,強制的に「VMSVGA」にしたりはしないようです。3Dアクセラレーションを使用する場合は,強制的に「VMSVGA」になります。

図13 設定⁠⁠-⁠ディスプレイ⁠⁠-⁠スクリーン」タブの「グラフィックスコントローラー」

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VISO

通常仮想マシンにはGuest AdditionsをインストールしてホストOSとより強く連携できるようにします。具体的には共有フォルダー機能が便利ですが,Guest AdditionsをインストールしなくてもホストOSのファイルを仮想マシンに送りたいという場合には,6.0から追加されたVISO(仮想ISOイメージ)機能が便利です。⁠デバイス⁠⁠-⁠光学ドライブ⁠⁠-⁠ディスクイメージの選択/作成」をクリックすると「光学ディスク選択」が起動するので図14⁠,さらに「作成」をクリックすると「VISOクリエイター」が起動します図15⁠。左側のペインでファイルを選択し,中央上にある▶アイコンをクリックするとVISOに追加されます図16⁠。必要なファイルを追加してから「OK」をクリックするとVISOが作成されるので,仮想マシンからマウントするとコピーできるようになる図17というわけです。

図14 ⁠光学ディスク選択」「作成」をクリックする

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図15 VISOクリエイターが起動する。⁠構成」「オプション」をクリックするとより細かな設定ができる

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図16 必要なファイルを右ペインに追加する。

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図17 先ほど作成したVISOを仮想マシンからマウントしたところ

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VISOを削除するには,⁠ファイル⁠⁠-⁠仮想メディアマネージャー」を開き,⁠光学ディスク」タブから除去してください。

ファイルマネージャー

Guest Additionsをインストール後に「仮想マシン⁠⁠-⁠ファイルマネージャー」でファイルマネージャーを起動し,仮想マシンのユーザー名とパスワードを入力して「セッションを作成」をクリックすると,ホストOSと仮想マシン間でファイルのやり取りをできるようになります図18⁠。共有フォルダーはあくまで指定した特定のフォルダーのみの共有ですが,ファイルマネージャーはより広範にファイルのやり取りができるため,便利な場面があるかもしれません。

図18 ファイルマネージャーの使用例

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同人誌の紹介

筆者によるVirtualBox 6.0をコンパクトに紹介した『ざっクリわかる VirtualBox 6.0対応版』頒布中です。3月1日以降に6.1対応版に無償バージョンアップできるようにする予定なので,チェックしてください。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese TeamとLibreOffice日本語チームのメンバー。LibreOffice,VirtualBox,Joplin,Budgieデスクトップなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。