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第622回 Spacedeckでホワイトボードを共有する

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言葉や文字ではどうしてもうまく説明・理解できなくても,図を描けば一発で伝わる・理解できることはよくあります。そこで今回は,リモートでの打ち合わせ時にも使えるウェブブラウザー上で動くホワイトボードサービスを構築してみましょう。

よみがえったSpacedeck Open

今回紹介するSpacedeck Openは,もともとドイツのSpacedeck社が作っていたオンラインコラボレーションサービスのコードがベースになっています。サービス自体が2018年にビジネスを終了したのに伴い,GitHub上にそのコードが公開されていたもののほぼ放置状態でした。2020年4月になって元の開発者の一人であるLukas F. Hartmannが立ち上げた会社によって開発を再開することになり,ここ1ヶ月ほどで一気にブラッシュアップが進んだのです。

機能自体はかなりシンプルです。⁠お絵描きツール」として考えた場合は,足りないものがたくさんあります。あくまで「ちょっとした図を描く」程度のツールだと思っておきましょう。

具体的には次のような機能を備えています。

ホワイトボードとしての基本機能
  • 四角・円・六角形などの基本図形の描画
  • 直線・フリーハンド・矢印の線の描画
  • 図形の拡大・縮小
  • 図形・ストロークの色,ストロークの太さの変更
  • 日本語を含む文字の描画,サイズ・色・フォント・装飾の変更
  • 画像・動画・PDF・動画などのメディアのアップロード
  • オブジェクトの整列・削除・保護
  • Alt+ドラッグによるオブジェクトの複製
  • Ctrl-Zによるアンドゥなどのショートカットキー
アカウント管理機能
  • ユーザーの追加・削除
  • メールによる他のユーザーの招待
その他の機能
  • 複数のホワイトボードの作成
  • グルーピング機能
  • ゲストアクセス機能
  • レスポンシブデザイン

また,次の機能は未実装です。

  • 多言語化には対応しているものの日本語は未実装
  • ホワイトボードのインポート・エクスポート

繰り返しになりますが,再開されたばかりの若いソフトウェアということもあって,機能的にはまだまだ足りてない部分がたくさんあります。⁠取り急ぎホワイトボードっぽいサービスが必要になった」⁠でも社内的な事情から制約からオンプレミスで運用したい」場合の回避策のひとつ,ぐらいに考えておくと良いでしょう※1⁠。

※1
他の選択肢としてWBOも存在します。こちらもJitsi Meetへの組み込みが提案されるなど,それなりの品質にはなっているようです。Spacedeckに比べると操作性はWBOに軍配があがる感じだったのですが,WBOは1360x768ぐらいの画面サイズだとツール類が表示しきれずうまく動かないケースがありました。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社 創夢所属。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。