Ubuntu Weekly Recipe

第685回 音楽プレイヤーRhythmboxのさまざまな機能

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今回はUbuntuにあらかじめインストールされている音楽プレイヤーであるRhythmboxのさまざまな機能を紹介します。

Rhythmboxとは

RhythmboxはUbuntuにあらからじめインストールされている音楽プレイヤーです。本連載では第79回で紹介していますが,なにぶん掲載から12年経っているので,古すぎて参考にならないうえに音楽再生に関する状況もいろいろ変わっていますので,再び取り上げるには遅すぎたくらいでしょう。

Ubuntuの最初のバージョンである4.10からRhythmboxはインストールされていましたが図1⁠,Ubuntu 11.04と11.10だけはBansheeにその座を明け渡していました図2⁠。なおBansheeは第112回で紹介しています。

図1 Ubuntu 4.10のRhythmbox

図1

図2 Ubuntu 11.04のBanshee。左中央に「Ubuntu One Music Store」を確認できる(現在は使用不可)

図2

昨今のフォーマット事情

音楽ファイル(以後音源とします)は当然ですが一定のフォーマットで存在しています。また今回紹介するものはDRMがかかっていませんが,DRMありのものはたとえここに出てきたフォーマットであってもRhythmboxでは再生できません。

音楽用のフォーマットで著名なのはMP3でしょう。かつては特許の都合でRhythmboxでの再生に別途コーデックのインストールが必要でしたが,現在は特許が切れているため特に何もしなくても再生できます。

今更いうまでもありませんが,AmazonデジタルミュージックのファイルフォーマットはMP3なので,Rhythmboxでも再生できるということになります。

完全に余談ですが,UbuntuにはかつてUbuntu One Music Storeという音楽配信サービスを行っており,このファイルフォーマットもMP3でした。

MP3は非可逆圧縮,すなわちエンコードの際にいくらかのデータが失われますが,FLACは可逆圧縮,すなわちエンコードを行っても元データを損ないません。しかしその分ファイルサイズは大きくなります。FLACはオープンなフォーマットで特許などもなく,Rhythmboxでも再生できる上,いわゆるハイレゾでデファクトスタンダードのフォーマットになっているため,e-onkyo musicmora(ハイレゾ音源)などで購入したハイレゾ音源をそのまま再生できます。

iTunes Storeやmora(圧縮音源)ではAACフォーマットで販売されています。Rhythmboxでは別途プラグインをインストールすれば再生できます。

昨今CDを買うこともあまりないかもしれませんが※1⁠,リッピングするならOgg Vorbisがいいかもしれません。もちろんファイルサイズが大きくなってもいいのであれば,FLACでもいいでしょう。なにせFLACは著名なフォーマットで,多くのポータブルデジタルオーディオプレイヤーで対応しています。一方Ogg Vorbisは対応しているプレイヤーは限られますが,Android搭載スマートフォンでは多くの場合対応しているようです。

※1
ちなみに筆者は今年に入って月に1枚以上のペースで購入していますが,これは複数枚組のCDを購入しているので平均値が上がっています。

再生

ではRhythmboxの使い方に移ります。所有している音源または新たに購入した音源がある場合は,⁠ミュージック」フォルダーに置くことによってRhythmboxで再生できるようになります図3⁠。なおどのフォルダーを指定するか初回起動時または「設定⁠⁠-⁠ミュージック」タブで変更できます図4⁠。

図3 特定のフォルダーに置くと再生できるようになる

図3

図4 ⁠ミュージック」タブで楽曲の置き場所を変更できる

図4

サンプルはせっかくなので在りし日のUbuntu One Music Storeで購入した『Carl Perkins & Friends』です※2⁠。

※2
正確なタイトルはBlue Suede Shoes: A Rockabilly Sessionで,Carl Perkinsとそのフォロワー(SNS的な意味ではなく)George HarrisonやRingo StarrやEric Claptonが参加している。John LennonもライブでCarlの楽曲を披露しており,Paul McCartneyは自身の会社でCarlの楽曲の版権を所有するなど,The Beatlesの元メンバーからいかに愛されているかがよくわかる。

MP3やFLACのように別途コーデックが必要ない場合はそのまま再生できますが,AACのように別途コーデックが必要な場合は「インポートのエラー」として表示されます図5⁠。右下にある「追加ソフトウェアをインストール」をクリックするとコーデックをインストール……できるようにはなりません。バグ報告にもあるように「ソフトウェア」⁠gnome-software)をインストールしないとここから追加できません。⁠Ubuntuソフトウェア」はSnapパッケージなので,ほかのアプリケーションから呼び出されるとか,呼び出すといったことが難しいのです。

図5 再生できない場合はインポートのエラーとなる

図5

「ソフトウェア」インストール後再実行すると,⁠MPEG-4 AAC decoder用の利用可能なソフトウェア」というウィンドウが表示されるので,一番上の「Gstreamer FDK AAC plugins」の横にある「インストール」をクリックします図6⁠。

図6 コーデックをインストールする

図6

インストール完了後Rhythmboxを再起動すると再生できるようになります図7⁠。

図7 再生できるようになった

図7

決められたフォルダーではないところにある音源は再生できないのかといわれるとそのようなことはなく,右上のミートボールメニュー(・が横に3つ続いているアイコン)をクリックすると「編集」「インポート」ボタンが表示されるので図8⁠,後者をクリックしてインポートするフォルダーを選択してください図9⁠。⁠一覧のX件のトラックをインポートします」をクリックするとインポートします。

図8 ミートボールメニューをクリックすると「編集」「インポート」が表示される

図8

図9 インポートする楽曲を選択する

図9

画面右下に2つあるボタンは,向かって左側は全体のリピートで,左側はランダム再生です。ということは両方有効にするとランダムで延々と再生します。特定の曲だけをリピートしたい場合は後述のプレイリストを使用します。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamのメンバー。VirtualBoxなどの翻訳を手がける。技術同人サークルteam zpn主宰。ほか原稿執筆を少々。