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第771回今⁠改めてUbuntu向けRSSリーダーを考えた結果のNewsFlash

Twitterを中心としたいろいろな事情により「RSSリーダー」が再び注目を集めています。今回はUbuntuで動くモダンなRSSリーダーである「NewsFlash」を紹介しましょう。

図1 RSSを使えば特定のサイトの更新を検知できる(でも、できれば本文はそのサイトを読みに行ってほしい)
図1

RSSとはなんぞや

RSSはウェブサイトの更新情報やちょっとしたコンテンツを配信してくれる仕組みです[1]。RSS自体は前世紀から存在しており、現在ではRSS 1.0とRSS 2.0とAtomという三種類の規格にわかれて現在も使われ続けています[2]

RSSではサイト側が、各規格に応じたRSSフィードを提供することになっています。本連載が掲載されている「gihyo.jp」でも、こちらのページにRSSフィードのURLが掲載されています。このフィードに定期的にアクセスし、サイトの更新情報を取得するのが「RSSリーダー(フィードアグリゲーター⁠⁠」です。

このRSSですが、一時期はほぼ使われない状態になりました。ただでさえ複数の規格が乱立している状況に加えて、SNSなどの流行で「最新情報」はそちらを参照するようになったことが大きいでしょう。特に2013年には、広く使われていたRSSリーダーである「Google Reader」のサービス終了してしまい、そこからは「使っている人もいるけど、多くの人には忘れられた存在」へと進んでいった感触があります。本連載でも第266回のGoogle Readerの代替サーバーを用意するにおいてUbuntuサーバー上で運用できるTiny Tiny RSSを紹介しましたが、当時は移行した人の中でも今はもう使っていない人のほうが多いのかもしれません。

ところでここ最近、ウェブサイトの更新や最新情報の取得元として広く使われていたTwitterにおいていろいろややこしい問題が出てきました。その結果、SNSとしてはTwitterの代替としていろいろ登場しています。たとえば「gihyo.jp」でも次のような記事があがっています。

しかしながら、TwitterをRSSの代替として使っていた場合、上記のような新しいSNSは必ずしも移行先になるとは限りません。なぜなら「情報の提供元」が、その新しいSNSに移行してくれないといけないからです。そこで出てくるのが「RSSの復権」です。もし更新を検知したいサイトがRSSに対応しているのであれば、そちらはRSSを使うことで任意のSNSに問題が出たとしても影響がないというわけです。

さらにRSSがなくても更新情報を検知する仕組み(いわゆるアンテナ系のサービスや新しいSNSのAPI等)も合わせて併用することで、より幅広くRSSっぽいものを活用できるかもしれません。もちろんSNSで得たい情報のすべてがRSSで配信されているとは限りません。またSNS本来の使い方である交流部分に関してはRSSで代用できるわけではないため、あくまで「一部はRSSでもなんとかなる」ぐらいに思っておきましょう。

Ubuntu向けのRSSリーダーである「NewsFlash」

RSSリーダーには大まかにわけて「クライアント型」「サーバー型」の2種類の仕組みが存在します。

クライアント型はPCにインストールしたRSSリーダーが定期的にフィードを読みにいくモデルです。よって特定のクライアントをインストールしなくてはなりませんが、別途サーバー等を用意しなくて良いという利点があります。

サーバー型はサーバーに常駐するデーモンがフィードを読みに行くモデルです。こちらは一般的にウェブブラウザーでデータを表示することになるため、特定のクライアントは不要となります。ただしサーバー型はAPIを経由して取得したデータを表示する機能を持っていたりするので、ウェブブラウザー以外にもPC向けのクライアントやスマートフォン向けのアプリ等で表示できたりもします。

サーバー型のRSSリーダーは、Google Readerがなくなって以降もFeedlyNewsBlurなどいくつものサービスが存在します。またFLOSSに限定した場合も、第266回でも紹介したTiny Tiny RSSだけでなく、最近はFreshRSSなんかも人気です。NextCloudのプラグインとして開発されているNewsアプリなんてのもあります[3]

今回紹介するのはクライアント型のRSSリーダーであるNewsFlashです。これはもともと、GTKを用いたRSSリーダーとしてはFeedReaderが存在したのですが、NewsFlashはこれをRustで全面的に作り直したようなバージョンになっています。そのため、FeedReader/NewsFlashともに「FeedReaderの精神的な後継者」という表現にしています。

GTKベースであるためUbuntuとも親和性が高く、ウェブレンダリングの部分はWebKitGTK/JavaScriptCoreを採用しています。また、通常のパッケージとは別に公式のFlatpakと非公式のsnapパッケージが用意されているため、最新版のインストールも簡単です。Ferver APIにも対応しており、FreshRSSやTiny Tiny RSSとも連携ができます。また、NewsBlurなどの外部RSSリーダーとの連携もサポートしているようです。ただしFeedlyに関してはFeedly側がAPIキーの更新を拒否したために、連携できなくなっているようです[4]

「とりあえずRSSクライアントをUbuntu上で動かしたい」のであれば、NewsFlashがおすすめです。今回はsnapパッケージをインストールしてみましょう。Ubuntuならリンク先から「Install」ボタンを押すか、次のコマンドを実行するとインストールできます。

$ sudo snap install newsflash

あとはDashから「NewsFlash」を検索して起動するだけです。

図2 初回起動画面では、既存のRSSリーダーとのアカウントの紐付けが可能になる
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図3 Local RSSを選択すると、RSSフィードのURLを入力できる
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図4 検索結果をクリックすると、フィードの追加ダイアログとなる。入力するのはタイトルと任意のカテゴリー名となる
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フィードを追加すると、自動的に読み込みに行きます。もし読み込まない場合はRSSフィードを選択して(今回のケースならUbuntuカテゴリーにあるgihyo.jpを選択して⁠⁠、ウィンドウ上部に表示される再読込ボタンを押すと良いでしょう。

図5 フィードを読み込んだ状態
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ちなみにOPMLのエクスポートやインポートもサポートしているため、既存のRSSリーダーからフィードリストを取り込むことも可能ですし、逆にNewsFlashのフィードリストをOPMLフォーマットで他のサービスに持っていくことも可能です。

大きめのフィードを読み込むと「未読数」が大きな数になってしまいます。気になるようなら、フィードリストの右上のチェックマークを押してください。すべての記事が「既読」になります。

ここからは実際に記事を表示してみましょう。gihyo.jpの場合は、当該フィードを読み込んだだけだと記事の冒頭だけが表示されます。

図6 表示されるのは記事の冒頭だけ
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この状態で画面右上の記事アイコン(タグアイコンの左隣のアイコン)をクリックすると、記事が展開されます。

図7 記事の内容が展開される。ただし注釈は展開されない模様
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図8 画像がある記事は、画像も表示される
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このあたりはRSSフィードやサイトによって異なるようです。きちんと読みたいなら、フィードを右クリックして「Open in Browser」を選択すると良いでしょう。もしくは「O」キーを入力するだけでも開いてくれます。

図9 画面右上の共有ボタンをクリックすると、各種サービスへのURLの共有も可能
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ちなみに検索機能ですが「分かち書き」がうまく動かないからか、日本語に対してはまともな検索はできません。たとえば「Ubuntu 22.04 LTS向け」という言葉があった場合、⁠LTS向け」なら検索できますが「向け」だけなら検索できません。また、タイトルや段落の冒頭が「オープンソース」なら、それを検索できますが、タイトルや段落の途中にある「オープンソース」は検索できない形になります。

NewsFlashはショートカットも充実しています。詳細は左のサイドペインにあるハンバーガーメニューから「Keyboard Shortcuts」を選択してください。

図10 ショートカットその1
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図11 ショートカットその2
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最後に見も蓋もないことをお伝えしておくと、Twitter等のSNSと比較した際におけるRSSリーダーの最大の問題点は「別のビューワーが必要になる」という点です。SNSでニュースを受け取る利点は、⁠普段よく見ているアプリの中で情報を受け取れる」ことであるため、RSSリーダーは必ずしもTwitterの解決策になるわけではありません。特に、NewsFlashはデスクトップLinux向けのアプリケーションであり、スマートフォン向けではない点も今風のRSSリーダーに比べると弱いポイントとなります。

ただし、情報収集を単一のプロプライエタリなサービスに依存してしまうのは、それはそれでリスクのある行為です。RSSに限らず、普段から「そのサービスがなくなった時の別の手段」も意識しておくと、いざというときにあわてなくて済むでしょう。

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