今回はシマンテックによるSPAMとフィッシング詐欺に関するレポートを紹介します。このレポートは毎月更新されているので、その月々のタイムリーなトレンドがわかるのが面白いです。これを読んでいると、スパマーも時事ネタを追いかけながら日々ネタを考えているのがわかります。
- State of Spam | Symantec
- URL:http://www.symantec.com/business/theme.jsp?themeid=state_of_spam
2010年8月号
月刊レポートなので毎月内容が変わるのですが、今回は、例として2010年8月号に記載されている内容を紹介します。
2010年8月号は2010年7月のSPAMやフィッシングサイトの傾向を紹介したものです。
SPAMとフィッシングの発生地
このレポートには、SPAMとフィシングに関するGeo Locationも掲載されています。
それぞれの発生地点のトップ10が掲載されていますが、SPAMではアメリカ発が約2割、フィッシング詐欺では世界の半分以上がアメリカ発となっており、アメリカ発が非常に多いという結果が掲載されています。
ワールドカップとSPAM
2010年6月に2010年FIFAワールドカップが開催されていました。それに伴い、6月はSPAMも大半がサッカー関連だったようです。
しかし、ワールドカップが終了するとともに、2010年メキシコ湾原油流出事故や環境問題をテーマとしたSPAMの割合が非常に高くなったとのことでした。
国際クリケット大会とフィッシングサイト
FIFAワールドカップの終了後に、2011年に開催されるICC 2001クリケットワールドカップの偽申し込みサイトが登場していたようです。本物のサイトでは、2011年2月17日に開始する大会の申し込みがまだ開始されていませんが、偽物であるフィッシングサイトは、申し込みが開始されているように偽装しているとレポートに書かれています。
レポートでは、偽サイトが正規のロゴを使いつつ、パリのエトワール凱旋門を使ってデザインされていることに注目しています。おそらくクリケット開催地であるインドのムンバイにあるインド門と間違えたのだろうと、レポートは推測しています。
最後に
このように、SPAMやフィッシング詐欺を見ると「時事ネタ」が非常に大きな要素であることがわかります。おそらく、人々を引きつけて騙すには、人々が興味を持ちそうなネタが重要であるからだと推測されます。
今やセキュリティ関連の話題はインターネットと切り離す事ができないぐらい密接な話題になったと思われます。たとえば、メールを使っていれば、かなりの割合の人々がSPAMを受け取っていると推測されます。
インターネットの技術は日進月歩で変わりますが、不正行為を行うノウハウや、人をだますための「ネタ」も日々移り変わるのがインターネットなのだろうと、このようなレポートを読んでいると思います。
インターネット上で行われる活動の重要度が上昇することと、インターネット普及率などは恐らく無関係ではないと個人的に考えています。
次回は、セキュリティから離れてインターネットの世界人口や普及率に関して紹介する予定です。