Debianベースの軽量LinuxディストロのひとつにUSBドライブやLiveCDから起動できる「Slax」がある。デスクトップ環境にカスタマイズした「FluxBox」を搭載しているのが特徴で、32ビット/64ビットの両アーキテクチャをサポートする。最新バージョンは3月27日にリリースされた「Slax 11.3.0」で、ISOイメージのサイズは280Mバイトと非常にコンパクトなディストロである。
Slackwareベースの復活か?
このSlax、現在でこそDebianベースのOSとして知られているが、プロジェクトがスタートした2003年ごろから2013年の「Slax 7.0.6」まではベースにSlackware、デスクトップ環境にKDEを採用していた。Debianベースに変わったのは2017年11月リリースの「Slax 9.2.1」からである。すでに”SlackwareからビルドされたOS”のイメージから遠ざかっていたはずのSlaxだが、7月15日、Slaxのメイン開発者であるTomas Mは「Slax based on Slackware 15.0」と題したブログを投稿、Slackware 15.0からビルドし、FluxBoxから使えるようにしたプロトタイプを作成したことを明らかにしている。
- Slax based on Slackware 15.0 -Slax author's Blog
Tomas Mは期間限定でこのSlackwareプロトタイプをサポーター(有料会員)向けに公開中で、テスト希望者はSlaxの有料会員になることで試すことができる。すでにデスクトップ環境はKDEではなく、かつてのSlaxとは大きく異なるが、このプロトタイプがもしかしたらSlackwareベースのSlaxが再登場するきっかけになる可能性もわずかにあるのかもしれない。