Linus Torvaldsは7月31日(米国時間)、「Linux 5.19」の正式リリースを明らかにした。通常の開発期間よりも1週間長く、合計8本のリリース候補版を経ての公開となる。
- Linux 5.19 -Linus Torvalds
Linux 5.19では中国の龍芯中科技術が独自に開発したCPUアーキテクチャ「LoongArch」をはじめてサポートしたほか、Intel Alder LakeおよびSapphire Rappidsにおける電力管理の改善、Intel Raptor Lake Pシリーズのサポート、AMD Zen 4アーキテクチャサポートの準備などが行われている。また、Apple M1チップ搭載MacへのLinuxポーティングを推進するAsahi Linuxの貢献により、Apple M1 NVMeコントローラおよびApple eFuseのドライバがはじめてマージされている。
なお、Linusは今回のLinux 5.19のリリース作業(ビルド/テスト含む)を、Asahi Linuxチームの協力を得てM1チップ(arm64)のMacBookから行ったことを明かしている。Linusにとっては今回が3回目のMacでの開発となったが、次の出張にはこのMacBook Airも持っていき、arm64プラットフォームでのLinuxの使い心地を試してみるとしている。
次バージョンは「6.0」か?
またLinusは今回のリリース文の最後で「また大きなバージョニングの数字で悩まされる前に、次のカーネル開発はLinux 6.0にしたいと思っている(I'll likely call it 6.0 since I'm starting to worry about getting confused by big numbers again.)」とコメントしており、次期カーネルは「Linux 5.20」ではなく「Linux 6.0」となる可能性が高くなってきたようだ。