CES 2023では、新技術を搭載したディスプレイやクルマなどの製品やプロトタイプがお披露目されました。こうした中で、Wireless Power Consortium
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Qiのおさらい
Qi2は、スマートフォンなどに搭載されているワイヤレス充電規格
Qiが登場したすぐは、最大出力が5W止まりだったこともあり、充電に時間がかかり
充電時間は短縮されていますが、充電器に置いたのにほとんどか充電できていなかったトラブルはいまだに耳にします。これは、端末を充電器の正しい位置に置いていないために起こるトラブルです。
この場合、充電できないだけでなく、充電時のエネルギーロスが発生しており、これが熱となりバッテリにダメージを与えています
諸悪の根源の位置ズレは、AppleがMagSafeという形で回答を出しています。MagSafeは、磁石を使って端末と充電器の位置決めをして、最適な位置で効率的な充電が行えるアイデアです。
この技術をAppleがWPCへ提供したことで、Qi2の規格に取り込まれることになりました。最大出力の15Wは変わりありませんが、Magnetic Power Profile」
Appleには思惑がありそう
Appleが技術提供をするのは珍しいことです。
EUで充電コネクタを2024年末までにUSB-Cへの統一が義務化されてたり、インドでも同様の法律が2025年3月から制定されているので、もしかすると、将来登場するだろうワイヤレス充電のみのiPhoneへの地ならしと考えているのかもしれません。
仮に、充電はワイヤレス充電のみとなったiPhoneが発売されることになっても、巷にQi2充電器が溢れていれば充電器を同梱する必要がなくなり、製品売価を引き下げることができます。また、充電器の同梱を無くせば、この分の原価を儲けに転嫁できます。これは、うがった見方ですが……
Qi2が解決する問題と抱える問題
2020年8月の記事ですが、ワイヤレス充電はケーブル充電と比較すると47%多く電力を使用すると、Eric Ravenscraft氏がmediumに公開しています。
Here's Exactly How Inefficient Wireless Charging Is | Debugger
この記事では、充電位置がズレるとさらに悪化するとされているので、解決の一翼をQi2が担うことになります。ただ、すべてのスマートフォンがワイヤレス充電化されると、電力消費が増えて社会問題になるだろうと問題定義をしています。Qi2でもこれは解決されていないので、充電効率を高くする何らかの技術が必要になりそうです。
今すぐMagSafeを使う方法がある
Androidで、正式にMagSafeが使えるようになるのは大きなメリットです。正式にと書いたのは、AndroidでもMagSafeのアクセサリを使う方法があるからです。
筆者は、Pixel 6 ProとMoment Case for Pixel 6 with (M)Forceの組み合わせで使っています。これは、ケースにMagSafeと互換性のある仕組みが搭載されており、Pixel 6 ProでもMagSafeのアクセサリが使えるようになります。
Moment Case for Pixel 6 with (M)Force (315-027) - Moment
ただ、使っている主な用途は充電ではなく、MOFTの
MOFT Snap-On スマホスタンド-Magsafe対応 – MOFT Japan
MagSafeをすぐにでも使いたい方は、両面テープで取り付ける対応キットも存在するので試してみてはいかがでしょうか。
今週は、このあたりで、また来週。