Android Weekly Topics

Small Android Phoneプロジェクトに新たな動き

スマホの大型化は一息ついた印象で、今のディスプレイサイズの主流は6.5インチから6.8インチです。

近年は、6インチを下回るのディスプレイを搭載した端末は見かけなくなりました。

手のひらに収まるサイズ感の電話が好きだけど、スマホを買い替えるときに端末を探すものの、選択がなくて仕方なく大型の端末を選んだ方もいるはずです。

こうした状況で、2022年5月にEric Migicovsky氏が小さなAndroidが欲しい!「Small Android Phone」と名付けたプロジェクトが立ち上がり、嘆願サイトで欲しい!のサインアップした方も多いはずです。

I want a small Android phone!

同氏は元祖スマートウォッチとも言える「Pebble」の創業者で、周り固めている人物もPebble時代のメンバーで、ゴールデンチームの再集結したといった感じのプロジェクトです。

Meet the Small Android Phone Team

理想はiPhone 13 miniのAndroid版

Small Android Phoneプロジェクトに新たな動きがあり、自らの手で設計して製造に向けて活動していることをThe Vergeが記事にしています。

Pebble might be coming back — as a small Android phone - The Verge

プロジェクトが理想とするのは、iPhone 13 mini級の性能を持つAndroidです。

要件は以下としておりシンプルな小型端末です。

  • 6インチを下回るディスプレイサイズ
  • 素晴らしいカメラ
  • カスタマイズされていないAndroid

iPhone 14シリーズにminiがなかったことがキッカケとなり、小さなAndroid端末を実現するべく具体的な議論を開始しています。議論はDiscord上で行われており、端末のデザインや設計、使用するSoCに関わる内容など多岐にわたっています。

どんなデザインになるのか?

たとえば、端末のデザインは、カメラバンプに視覚的な特徴を持たせるデザインが検討されており、いくつかのアイデアが提示されています。

また、多くのスマートフォンのデザインは遊びが少ないので、ツールのように機能的でありながら親しみ易いデザインにしたいと考えられています。また、端末は細部まで気を配りデザインするとされているので「神は細部に宿る」を体現した端末となりそうです。

端末はMarvinのコードネームで呼ばれていますが、製品名の検討もされておりPicoやPipなど小ささを表すような名前が候補にあがっています。この中には、Pebbleがあるのは涙目になります。

ソフト処理が中心のカメラ

カメラは、メインカメラに50MPクラスのセンサを利用して、ソフト処理を前提とするコンピュテーショナルフォトグラフィーが使われるようです。ソフトウェア開発には、数人の中国人開発者やRAWカメラアプリの開発に取り組んだことがあるメンバーで関わるようです。

開発ノウハウがあるセンサが使われるのであれば、光学処理ではなくソフト処理が中心でも一定品質を保った写真に仕上がるはずです。

ハイエンドSoCは搭載しない

Small Android Phoneはプレミアムクラスとしていますが、最高のパフォーマンスを提供することを意味していないとしています。よって、搭載されるSoCは、Snapdragon 8+ Gen 1かミッドレンジのSoCが検討されています。

近年は、ミドルレンジのSoCでも十分な性能を持ちます。

たとえば、愛用しているNothing Phone (1)には、Snapdragon 778G+が搭載されていますが、遅いと感じることもなく発熱で不快に感じることもありません。これで価格も抑えられるのであれば、現実的で賢明な選択です。

少し高価だけど大手で製造

価格は、850USドル程度になるとされています。

ターゲットのiPhone 13 miniは599USドルで販売されているので、少し高い価格です。

これは注文ロット数の規模が数万台と少ないために、製造にプレミアムな支払いを必要として端末価格に反映されているようです。

製造メーカは「Tier 1メーカで世界最大の電話メーカ」とされていますが詳しくは明らかにされていません。パッと頭に思いつくのはFoxconnで、iPhoneの生産数が減産のニュースを見かけるので生産能力に余力はありそうです。

今回挙げた内容は、どれも検討段階です。

よって「僕たちが考える最強の小型Android」と揶揄されるのは仕方がありませんが、現実のものとなったときには、ぜひとも手にしてみたい端末です。

今週は、このあたりで、また来週。

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