GitHub,GPT-4を実装した「GitHub Copilot X」リリース ―コーディングはAIとともに

GitHubは3月22日(米国時間⁠⁠、OpenAIが開発する最新の大規模言語モデル「GPT-4」を搭載した「GitHub Copilot X」を発表しました。2022年6月にリリースされた「GitHub Copilot」も開発者エクスペリエンスを大きく変えるツールとして注目をあつめましたが、ChatGPTでも話題のGPT-4を搭載したCopilot Xはさらに強力なAI機能でもって、コーディングの世界に強力なインパクトを与える存在になりそうです。なお、GitHub Copilot Xは現在テクニカルプレビューのステータスにあり、利用するにはCopilot Xのサイトから登録する必要があります。

GitHub Copilot X: The AI-powered developer experience | The GitHub Blog(同ブログの日本語訳
Introducing GitHub Copilot X -GitHub

以下、GitHubのトーマス・ドームケ(Thomas Dohmke)CEOのブログをもとに、Copilot Xのおもな特徴をピックアップして紹介します。

  • GitHub Copilot Chat … コードエディタ(現時点ではVS CodeおよびVistual Studio)にChatGPTのようなエクスペリエンスを提供。開発者はチャット/口頭で自然言語のプロンプトを入力できる
  • Copilot for Pull Requests … GPT-4を利用し、インラインコードの提案やテストの推奨など、プルリクエストの説明に自動生成されたタグを追加。開発者はこの提案を確認/変更できる。開発者がプルリクエストに対して十分なテストを行っていないと警告が出る
  • GitHub Copilot for Docs … ChatGPTライクなチャットインタフェースにドキュメントに対する質問を入力すると、AIが回答を作成(現時点ではReact、Azure Docs、MDNのドキュメントが対象)

GitHubによれば「GitHub Copilotはすでに100万人以上の開発者が利用しており、46%のコードがCopilotで書かれ、コーディングスピードは55%向上し、5000以上のビジネスで使われている」とコメントしており、Copilotが開発現場に急激に浸透していることがうかがわれます。この強力な開発者エクスペリエンスを提供するCopilotをさらにGPT-4のパワーで強化したCopilot Xは、GitHubが「開発者エクスペリエンスのあらゆるポイントで開発タスクを支援する⁠AIペアプログラマ⁠に成長させる」というゴールのもとで開発が進められています。

今回のCopilotの発表により、口頭やチャットによるコーディングの支援、プルリクエストやドキュメントの自動生成といった機能が開発ツール上で実現することになりますが、ドームケCEOは「これ(Copilot X)はまだ始まりに過ぎない」とコメントしており、たとえば

  • コード変更に関する情報を動的にプルしてプルリクエストを作成すると、Copilotが自動的に文と段落を提案する
  • ChatGPTライクなインタフェースを利用したドキュメント生成機能をあらゆる組織のリポジトリや内部ドキュメントに導入する
  • イシュー、プルリクエスト、ディスカッション、Wikiなどドキュメント以外をリソースをインデックス化して、開発者からのあらゆる質問に回答できるようにする
  • コマンドラインインタフェース(CLI)にAIを実装したCopilot for CLI

といった機能の開発が予定されています。これからのコーディングの現場では、開発者にとっての最強のペアプログラマがAIという時代がもう到来しているのかもしれません。

GitHub Copilot for CLIのデモ画面(Thomas Dohmke氏のブログより)
GitHub Copilot for CLIのデモ画面

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