2023年3月10日
14のチームに分かれてプレゼンテーション
6年生は14のチームに分かれて、マインクラフトによる作品とともに成果を発表した。以下はそのごく一部である。
- 学校の屋上で太陽光や風力発電を設置する
「地域の人と環境とともにある学校」 - 床発電や災害用トイレの設置などを行う
「災害に強く地域の人が使いやすい学校」 - 緑や畑、ジェンダー平等トイレや誰でも使える水道がある
「緑豊かで、様々な個性を大切にする学校」
マインクラフトによる作品もさまざまだった。アレルギー対応食品の自販機、いろいろな国の本を読める図書館、地元の人たちも使えるプール
屋上の活用について複数のチームが取り上げていて気になったが、答えの一端も発表の中にあった。
あるチームのテーマは
小学生によるタスクボード、プログラミング、ライトニングトーク
司会進行をつとめたのはGMOインターネットグループの成瀬允宣氏。
成瀬氏はプロジェクトの初期設計から関わり、笹塚小学校の先生方とともに週1回、延べ11回の授業の主導も続けた。
学校の授業とプロジェクト管理の共通性を感じ、まず取り入れたのはタスクボート。児童たちの広がりのある考えをなんらかの方向へ導き、期限内で成果をもたらすために用いたという。付箋をペタペタと貼り、あっちの付箋をこっちへと貼り直すうちに、児童たちはやがて共通の目標を見出し、そこに向かうための手順も発見したという。
成瀬氏がもう一つ取り入れたのは、プログラミングに親しんでもらうこと。
マインクラフトでの作品作りはゲーム性もあって楽しいものだが、スケールを大きくしたいなどと考えると時間が足りない。そこで、ちょっとしたプログラミングを教えると児童たちはすぐに理解し、思いもよらぬ大作を作り上げたという。
プロジェクト管理などITエンジニアのスキルは、当日の発表にも生かされていた。会場は12時からGMO社員の社食となり、児童たちは学校に帰って給食を食べなければならない。限られた時間なので取り入れたのが、ライトニングトーク形式。1チーム5分を持ち時間に、1分前には鐘を鳴らす。どのチームも鐘を合図に上手に結論をまとめる。
もう1つは、質疑応答の代わりに取り入れたMicrosoft Teamsでのコメント投稿。コメントはスクリーンの1つに常時、表示される。
ITエンジニアによる新たな社会貢献のかたち
今回の取り組みは、もちろん一過性のものではない。
来年度は、今回、6年生の発表を目をキラキラさせて聞き入っていた5年生が引き継いでくれる。
また、試行錯誤して作り上げたカリキュラムは、笹塚小学校、渋谷区、GMOインターネットグループのみならず、広く利用可能なものとして、いわばオープンソースとしての展開を考えているという。多くのエンジニアが自身のもつ力を発揮できる、新たな社会貢献のかたちを示しているのかもしれない。