Google、AIベースの開発支援機能「Duet AI for Google Cloud」発表

Googleは2023年5月10日、年次イベント「Google I/O 2023」にて、Google Cloud開発者向けにAIを活用した開発支援機能「Duet AI for Google Cloud」を発表した。

Duet AIは、AIを活用した新しい生成型インターフェース。開発者にとってエキスパートのペアプログラマとして機能し、クラウドワークステーション、クラウドコンソール、チャット内で支援機能を提供する。また、Googleでトレーニング済みのコードモデルやカスタムコードモデルを呼び出すこともできる。主な機能は以下の通り。

Code assistance

アプリケーション開発者やデータエンジニアなどのクラウドユーザーにAIが主導してコード支援を提供する。ユーザーがコメントの形で希望するコードの概要入力すると、リアルタイムで推奨コードを表示、完全な関数とコードブロックが生成され、コード内の脆弱性とエラーが特定され、修正も提案される。

Code assistanceの動作(Google Cloud Blogより)
Code assistanceの動作

Code assistanceはCloud Shellエディタ、あるいはVSCode、JetBrains IDE用のCloud Code IDE拡張機能を介してコード支援を利用することもできる。また言語としてGo、Java、JavaScript、Python、SQLなど複数の言語をサポートする。

Chat assistance

簡単な自然言語を使用して、特定の開発やクラウド関連の質問に対して回答を得ることができる。特定のクラウドサービスや機能の使用方法など、さまざまなトピックに関するリアルタイムガイダンスや、クラウドプロジェクトの詳細な実装プランを得ることも可能。アーキテクチャあるいはコーディングのベストプラクティスも提供されるため、関連ドキュメントを検索する手間が軽減される。

Chat assistanceの動作(Google Cloud Blogより)
Chat assistanceの動作

Chat assistanceは今後さまざまなIDEやクラウドコンソール、あるいはプロダクトやサービスを通した利用など、Google Cloudの表層の複数の分野で利用できるようになる。また開発者、オペレーター、データエンジニア、セキュリティ専門家を問わず活用できるサービスとなる予定。

さらに、Google Cloudの機械学習基盤であるVertex AIで利用できるようになったGenerative AIの機能により、同じくGoogle I/Oで発表されたテキストからコード生成を行う新たな基盤モデルでCodeyを使い、企業などで使う独自のコードを学習させた組込み型のDuet AIを2023年後半に公開できる予定とのこと。この場合、学習に使用した個人データなどは非公開にされ、その保存や使用についても透明性が保たれるという。

Duet AI for AppSheet

Duet AI for AppSheetは、AIとチャットすることによりコードを書くことなくアプリケーションを作成できるサービス。自然言語を介してGoogle Workspaceにワークフローを構築でき、ユーザーはAIを活用したプロンプトに従ってチャットでニーズを説明することでアプリを構築する。

Duet AI for AppSheetの動作(Google Cloud Blogより)、チームのメンバーの出生の要望を聞き、その手配と管理を行うアプリケーションを作ってほしいという要望をプロンプトに入力、いくつかの質問とやりとりの後に出張手配アプリが完成するというもの
Duet AI for AppSheetの動作
Duet AI for AppSheetの動作

Duet AI for Google Cloudはまず限られたユーザーを対象に提供されており、間もなくアクセスを拡大する予定となっている。Google CloudのAI Trusted Testerプログラムに参加するには「Join Google Cloud's AI Trusted Tester Program」のページでサインアップが必要。

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