こんにちは。まーや
JOnsen 2023とは
JOnsenとは、日本で開催されるJavaの国際アンカンファレンスイベントです。Java×温泉が名前の由来となっており、その名のとおり温泉地で開催されます。2023年は山梨県の八ヶ岳にて開催されました。
2019年まではOracle主催で行われていたイベントでしたが、2020年より日本Javaユーザーグループ
JOnsenの特徴は、
JOnsen 2023イベント概要
JOnsen公式サイト | https:// |
---|---|
イベント募集ページ | https:// |
開催日 | 2023年6月1日~6月3日 |
会場 | 星野リゾート リゾナーレ八ヶ岳 |
参加費 | share room 40,000 円/人 (家族で参加の場合は別途料金) |
主催 | 日本Javaユーザーグループ (JJUG) |
主催グループ公式サイト | https:// |
Twitterハッシュタグ | #JOnsen |
JOnsenはご家族も一緒に滞在いただけるイベントです。家族専用部屋などの用意もできるので家族旅行がてら参加される方もいらっしゃいます。今年は13名のアンカンファレンス参加者、そのうち3組がご家族で参加され、総勢20名のイベントとなりました。
JOnsen 2023 開催準備
JOnsen 2023の準備は2023年1月からスタートしました。
2022年の秋ごろから開催についてふんわりとした議論が進められていたものの、実際に開催を決め、行動に移し始めたのが1月です。会場の候補の洗い出し、人数と予算、参加費の金額設定、参加費の集金方法検討などを日々JJUGスタッフのslackと月1回の対面運営ミーティングで議論し決定いきます。
イベントを公開できるような情報を決定し終えたころにはもう開催が3ヵ月後に迫っていました。
日程は、早い段階から6月1~3日に決めていました。これは6月4日開催のJJUG CCC 2023 SpringとJOnsen 2023の両方に海外や遠方から来る方々が参加しやすい日程にしたいと考えたからです。
3月中旬から公式Webサイトの作成、イベント参加登録ページの作成を行い、3月末に公開しました。参加登録後にホテルの人数と部屋の調整があるため、4月末までの募集としました。
参加メンバー確定後、JJUG member slackにJOnsen 2023参加者向けチャネルを作成し、参加者との交流を開始します。もちろんこのチャネルでの会話も英語です。主に遠方からくる方の移動手段サポートや、イベント中の各種オプション
イベント当日まで比較的活発に参加者同士のやりとりがあったのも印象的でした。事前にどんな方が参加されるのかもわかりますし、イベント前のメッセージのやりとりはモチベーションアップにもつながりとても良い雰囲気でした。
全体スケジュール
イベント全体のスケジュールは下記のようにしました。アンカンファレンスはのびのびとリラックスしながらディスカッションすることを目的にしていますので、あまりぎちぎちのスケジュールにはなっていません。アクティビティタイムと称した現地で何か体験学習
今年の最終日は午前中でイベント終了としました。これは翌日に新宿で開催されるJJUG CCC 2023 Springに参加するメンバーの移動や準備の時間や体力面を考慮したためです。
日付 | 時間 | 内容 |
---|---|---|
Day1 | 14:00-15:30 | イベントスタート/自己紹介/テーマ決め |
16:00-17:00 | アンカンファレンス #1 | |
19:00-21:00 | ディナー | |
Day2 | 10:00-12:00 | アクティビティ |
12:00-14:00 | ランチ | |
14:00-15:00 | アンカンファレンス #2 | |
15:30-16:30 | アンカンファレンス #3 | |
17:00-18:00 | アンカンファレンス #4 | |
19:00-21:00 | ディナー | |
Day3 | 10:30-11:30 | アンカンファレンス #5 |
11:30-12:30 | ふりかえり&クロージング | |
13:00- | 解散 |
Day1
イベント1日目。
JOnsenイベント自体は14時スタート。車もしくは特急あずさで各自会場へ向かいます。現地集合となっていましたが、実際は参加者のほとんどが同じ特急あずさに乗っており、会場の最寄り駅である小淵沢駅に着いた時点ですでにJOnsenが始まったかのような雰囲気に。
小淵沢駅に来ていたホテルシャトルバスに乗り込み、会場へ向かいます。まだイベント開始には時間が早かったので、各自ホテル内にあるレストランで各々食事を楽しんでから再集合することにしました。ちなみに私は特急あずさで電車酔いしたため会場で横になってダウンしておりました。
14時。JOnsen アンカンファレンスがスタート。
自己紹介から始まり、3日間のアンカンファレンスで議論したいテーマを書き出します。
その後、それぞれ自分が提案したテーマの説明をして、投票タイム。投票数が多かったテーマから順番にアンカンファレンステーマとして採用します。
最初のアンカンファレンステーマは
[Unconference #1] How we can use generative AI on our work and so on?
このテーマではここ最近大注目されているgenerative AIとエンジニアとしてどう付き合っていくのか、ということについて議論しました。
とくに盛り上がったのが、GitHub Copilotをはじめとしたコードアシスタント機能を利用することによる良い点や懸念点などを中心にした話題。そもそもコードアシスタントのサービスをあまりよく知らなかった人とすでに利用している人が混在していたので議論の幅が広かったように思います。
1日目のアンカンファレンスはこれでおしまい。会場を片付けて、各自割り振られたお部屋へ移動し、しばしの休憩時間。大浴場にいくもよし、ホテル内を散策するもよし。今回のお部屋、とっても広く、そして洗練された雰囲気でちょっとびっくりしました。
ディナーはホテル敷地内のおしゃれなレストランでコース料理をいただきました。なんて優雅な滞在でしょう……。
Day2
一晩ぐっすり眠ったイベント2日目。午前中はアクティビティタイムです。大自然を相手にアウトドアなアクティビティをしようと思っていたのですが、残念ながら天気は雨
大人の集団が一生懸命パフェやらクレープやらを作る姿はちょっとシュール。凝り性の集まりゆえ皆さん最高の出来栄えなパフェとクレープになりました。もちろん出来上がったパフェやクレープは各自おいしくいただきましたよ。
アクティビティ後、各自お昼ごはんを済ませたら、2日目のアンカンファレンススタートです。
[Unconference #2] How to find new speakers and new talent after pandemic
このテーマは私が提案したテーマでした。
コミュニティイベントのオンライン化が進んだことにより、参加者との相互コミュニケーションが取りづらくなりました。この影響で新しいスピーカの発掘が難しくなったと感じているコミュニティリーダーが集まり、今後どうやって発掘していけばいいのかということについて議論しました。このグループで出した案は次のようになりました。
- オフラインイベントを再開させ、懇親会を積極的に行い、参加者と運営の距離を縮める
- LT大会を開催し、登壇の機会を増やす
- 地方コミュニティや女子部などと連携し登壇者のモチベーション維持やステップアップを支援する
- 大きなカンファレンスイベントの前にプロポーザルの書き方やプレゼンテーションの作成の仕方について相談できる機会を作る
2020年より前には無意識でやっていたことが、実は新しいコネクションやスピーカの創出になっていたのでは?
[Unconference #3] Java version and upgrade
Java 9からバージョンサイクルが変わり早6年。2023年9月にはもうJava 21が出てくるけれども、まだJava 8からバージョンアップできていないプロジェクトありませんか?
今回のJOnsenに来ているエンジニアさんはハイレベルな方が多いのでてっきり最新バージョンを使っているのだろうと予想していたのですが、抱えてるシステムの一部では引き続きJava 8を利用している……なんて声も多数あり。ライブラリ依存によりバージョンアップできないことが多いようで、なんだかお悩み披露会のようになってしまったテーマディスカッションでした。
答えは出ないけれども共感やさまざまな事例を聴くこともアンカンファレンスの醍醐味ですね。
[Unconference #4] Data Oriented Programming and Kotlin Programming
2日目最後のテーマの1つがData Oriented ProgrammingとKotlin Programming。Kotlinへの熱い思いの語りから始まり、Functional Programmingの世界を聞いた後、別のプログラミングアプローチである Data Oriented Programingの話題へ。
お恥ずかしながら私はData Oriented Programingについて知識が乏しかったのですが、恥を捨てて
スーパーエンジニアに囲まれた中で技術的なトピックの議論に参加することはとても萎縮してしまいますが、わからないならわからないと発言することで得られることもたくさんあります。
2日目の夕飯はホテルを飛び出して近くのジビエ料理のお店へ。熊、鹿、イノシシ、キョンなどのなかなか食べられないお肉と、6月上旬までが旬のたけのこ料理を堪能してきました。
Day3
最終日のアンカンファレンスは1ターンのみ。最後のテーマは
[Unconference #5] Release and Deployment
デプロイやテストの自動化、どこまでやってる?
言葉で説明しづらい内容はホワイトボードにアーキテクチャ図を書いて説明がされ、エンジニアっぽいテーマディスカッションとなりました。
すべてのアンカンファレンスが終わった後は、全員集まって、3日間の振り返りとして、それぞれのセッションのまとめを発表。
全セッションの概要を聴けるので、自分が参加していなかったチームではどんな議論がされていたのかを知ることができました。また、答えのない議論をまとめて、
これにてJOnsen終幕!
おわりに
2019年までには30人近くの国内外のJavaエンジニアが集って開催されていたJOnsen。今回やっと再開できたことに喜ぶ半面、参加人数は少しこぢんまりとした20人になってしまったことも事実。来年はもっとたくさんの方に来ていただいていろんな意見飛び交うアンカンファレンスイベントにしたいな、などと野望を持ちました。
「参加したいけど、私英語しゃべれないのでJOnsenはハードルが高いです」
かくいう私も決して英語が得意なわけではありませんでした。ただ、JJUG CCCや海外イベントに参加するようになって
通常のカンファレンスのようにある程度体系だった知識を得ることももちろん大切ですが、アンカンファレンスのように答えも結論もないけれども言葉にできない何かを持ち帰ってくるという経験もとても素敵なことです。
皆さんもJOnsenに参加して技術知識と英語力と楽しい思い出、持ち帰ってみませんか?