2023年10月リリース予定の「Fedora Linux 39」に向けて、現在さまざまなアップデートの提案が行われているが、そのひとつにIoTエディション、サーバエディションおよびCoreOSを対象にしたファームウェアアップデートの通知機能を実装するというプロポーザルがある。Red Hatの二人のエンジニアが提案しており、実現すればsytemdのタイマーユニット「fwupd-refresh.timer」がデフォルトで有効になる。
ハードウェアデバイスの新しいファームウェアがリリースされた場合、セキュリティの観点からなるべく早期に更新することが望ましいが、Fedoraの場合、デスクトップエディション(Fedora Wrokstation)ではGNOMEやPlasmaの機能でアップデートが通知されるが、サーバ/IoTエディションでは通知されるしくみが提供されていなかった。そこで今回の提案では、タイマーユニットであるfwupd-refresh.timerをデフォルトで有効化し、fwupd-refresh.timerでBIOSなどのファームウェアのアップデートを行うデーモン「fwupd」を定期的に起動、サポートされているハードウェアデバイスのファームウェアをチェックし、メタデータとMOTD(Message of the Day)の更新も定期的に行うことが掲げられている。これによりサーバ/IoTエディションのユーザに対してファームウェアアップデートがすみやかに通知されるが、デフォルトでは“通知”だけであり、更新自体は有効化されないという。なお、デスクトップエディションに関しては今回の調整の対象に含まれていない。
この調整の効果について、Red Hatのエンジニアは「ファームウェアアップデートがデフォルトで通知されるようになれば、サーバ管理者はアップデートをいつシステムに適用するかを把握しやすくなるため、システムの信頼性が高まることにつながる」とコメントしている。