Linuxデスクトップ向けのGPUオーバークロックツールとして2019年から複数の開発者が取り組んできた「TuxClocker」は、Qt5ベースのわかりやすいインタフェースでもってGPUのメモリやクロック周波数、ファンの回転速度などを調整できるユーティリティである。オープンソースのGPUオーバークロックツールの場合、NVIDIAかAMDのどちらかに特化したものが多いが、TuxClockerは両方のハードウェアをサポートすることを目指している点も特徴のひとつだ。
そのTuxClockerが9月26日、GPLv3のもと、バージョン1.0.0を公開した。ただし今回のリリースでサポートするのはNVIDIA GPU(GeForce GTX 600以上)のみで、AMD GPUは実験的なサポートの扱いとなっている。
TuxClocker 1.0では新たにD-Bus APIをサポートしており、他のソフトウェアがAPI経由でTuxClockerを利用することが可能になっている。またインタフェースに階層型GUIを採用しており、複数のGPUやファンのプロパティ(消費電力の制限、温度監視、電圧読み取りなど)を容易に確認/調整できる。また、複数のノードのプロパティを一度の操作でデフォルト値に戻すことも可能だ。
ただし前述した通り、バージョン1.0ではAMD GPUの公式サポートはない。プロジェクトでは今後の開発方針としてAMD Radeonなどより多くのGPUデバイスのサポート、Linux以外のプラットフォームのサポート、CLIインタフェースの実装などを掲げている。