Android Weekly Topics

GoogleメッセージをKDDIが採用⁠そして⁠+メッセージへの期待

Google I/O 2024が開催され、多くの新しい技術などが公開されました。

特設サイトには、セッションのビデオがアップロードされています。⁠でも……。英語のみでしょ……」と諦めず、YouTubeの自動翻訳機能をオンにすることで、セッションの概略程度であれば十分理解できるので活用できます。

この連載に関連する動画であれば、40分と少し長めのセッションですが「Androidの新機能」のビデオは、今のAndroidに触れているのでぜひ観ることをお勧めします。

さて、Google I/Oに関わる話題の中で、KDDIがGoogleメッセージを標準アプリとして採用した件、これに関連する話題としてRCSを採用する+メッセージも取り上げます。

Googleメッセージを標準アプリとしてKDDIが採用

5月16日、KDDIはGoogleの「Googleメッセージ」を開始時期は未定ながら、Androidを搭載する端末の標準アプリとして採用すると発表しました。

メッセージサービスの魅力向上に向け Google メッセージを採用 | KDDI News Room

これにより、KDDIの端末ではRCSに対応したメッセージアプリが「+メッセージ」「Googleメッセージ」のふたつになりますが、標準アプリと採用するとアナウンスされているので、順次、Googleメッセージに切り替わっていくものと考えられます。

キャリアをまたいで、電話番号でやりとりができる+メッセージがあるにもかかわらず、Googleメッセージに切り替える理由は、Googleサービスとのスムースな連携、既に10億人のアクティブユーザーがおり、シームレスなグローバルコミュニケーションが出来ることなどがリリースで説明されています。

何とも微妙な存在の「+メッセージ」

恨みはありませんが、筆者は+メッセージに良い印象がないので実例をもとに紹介します。

Android版の+メッセージは、SMSの送受信ができてAndroid同士で使う限りは不自由がありません。しかし、iPhoneへメッセージを送ろうとすると事情が変わります。筆者の場合、Androidの+メッセージから送信されたメッセージが、iPhoneのメッセージアプリで受信できないことを何度か経験しています。

+メッセージは、サーバ側で相手が+メッセージに対応しているかを確認して、対応してなければSMSで送信する動きになっているといいます。しかし、これが何らかの原因で動かなくなるのか、相手が+メッセージだと誤認識するのか、SMSでのメッセージが届かないという現象が発生します。

調べてみると同様の現象は他でも発生しており、アプリをインストールすることが最も簡単な対処のようなので、使うつもりのなかった+メッセージをiPhoneにインストールして対処しました。仕事で相手のメッセージが届かないのは致命的です。

結果、これまで使っていたメッセージやFacebook Messengerに加えて、+メッセージからも新着がないか気にする必要があり、常用するわけではないので面倒な存在となりました。

それでは、+メッセージをメインに使えば良いのではないかと考えますが、iOS版の+メッセージはSMSの送信ができず、メッセージアプリ経由で送信します。これはApple側に理由がありそうですが、ユーザから見れば何とも微妙な存在です。

+メッセージへの期待

+メッセージは、国内キャリアが足並みを揃えてRCS規格を採用し、2024年2月の段階で4000万人が利用を獲得し運用に乗せていることは素晴らしい話です。しかし、先でもあげたようにプラットフォームの制約を受けて残念なところも残しています。

KDDIがGoogleメッセージへ切り替えたことをキッカケに、他も同調する流れになるのかはわかりませんが、+メッセージはLINEにつぐユーザ規模(LINEは月間のアクティブユーザ数が9,500万人以上なのでダントツです)を誇るので、電子メールに次ぐメディアとしての利用も期待できるのではないかと考えます。

たとえば、自治体が行っているメールによる情報配信は、+メッセージでも提供するなどの活用を進めることが考えられます。+メッセージは、キャリアが推し進めるプラットフォームとしての動きが取れ、これがメリットになる部分が多いので、もっと活用方法が模索できるのはないでしょうか。最近は、様々なサービスがLINEに偏りすぎていることもあり危機感を覚えるので。

今週は、このあたりで、また来週。

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