Android Weekly Topics

これでアレには負けない! Android 15のシステムフォントがバリアブルフォントに対応

少し古い話になりますが、Googleは7月18日に次期OSとなるAndroid 15のベータ4をリリースしています。

Android Developers Blog: The Fourth Beta of Android 15

Android 15の開発スケジュールが発表された段階で、ベータ4のリリースが7月だったので予定どおりの進行です。今回がベータ版のファイナルリリースで、大きなバグが発見されなければ、あとはリリースを待つばかりとなります。

システムフォントがバリアブルフォント化

さて、Android 15からは、日本語環境でシステムフォントとして使われている「NotoSansCJK」がバリアブルフォント化されることになりました。

Android 15では、OSの見た目に関するアップデートはありません。しかし、表示フォントの変化は、考えようによっては見た目と同等の大きな変化です。Material Design以降のAndroidは、独自の世界観を持ち使い勝手もよくなりました。

しかし、英語環境と日本語環境の見た目を比較すると、少し野暮ったい印象を受けます。Android 15を使ってみると、この野暮ったさはフォントが要因だったと感じることができます。

このバリアブルフォント、あまり聞き馴染みのない言葉ですが、Adobe、Apple、Google、Microsoftで共同開発されたフォント規格で、OpenTypeの規格が拡張されたものです。

名前が示すように、フォントのバリエーションを定義する、複数の変更パラメータ(太さや字幅など)を外部に出しており、これが調整の幅が持つことで、高い表現力を持っています。

たとえば、従来のフォントで太字の場合、太字にする・しない程度か、複数の選択肢があるフォントは、複数ファイルで実現していました。しかし、バリアブルフォントは、1つのフォントファイルで構成されており、太字も数百段階で調整できるようになります。

以下のサイトではバリアブルフォントを扱っており、フォントごとに調整できるパラメータが変更できて、どのように変化するか確認できるので、気になる方はアクセスして試してください。

Variable Fonts

Webブラウザは、Google Chrome、Safari、Firefox、Edgeがバリアブルフォントへ対応済みとなっています。Androidの場合は、Android 5以降のWebViewで対応済みとなっていましたが、Android 15ではシステムフォントがバリアブルフォントに対応するので、先のブラウザを使えば高い表現力を持ってページがレンダリングされます。

また、身近なところでは、ベータ4にアップデートしてからは「ホーム画面の見た目がすっきりした?」と感じました。これは、ホーム画面に表示されるアプリ名に使われている、サイズの小さなフォントが潰れることなくレンダリングされていて、視認性が高くなったことに変化を感じているのかもしれません。

他、バリアブルフォントとは関係ありませんが、ベータ4からPNGベースの絵文字フォント(NotoColorEmojiLegacy.ttf)が削除されます。

Android 13以降、絵文字フォントはベクターベースに変更される動きがあり、PNGベースのフォントは互換性維持のために残されていました。しかし、Android 15からは削除されるので、アプリなどでPNGベースの絵文字フォントを使ってい場合は、別のフォントを使用するなどの対応が必要です。

変化を感じるのが難しくなっている

今回は、Android 15のフォントにフォーカスして紹介しましたが、Android 12あたりからアップデートの変化を感じることが難しい状況が続いています。

新機能の追加で恩恵を受けることもありますが、最近のアップデートは、どのような機能が実装されているのかユーザ側で確認し、その効果を知ったうえで積極的に使う必要があるものばかりです。

数年周期で行われていたOSのアップデートは、ビックイベントでしたが現在は年次の実施です。これであれば、ビックチェンジ以外はひっそりと実施して、ナンバリングもやめてしまっても良いかと思います(今、いくつかを把握していないユーザが多数のはずです⁠⁠。

たとえば、成人を迎えて新たな門出を迎えるAndroid 18からは、新しいルールを適用しても良いかと考えています。どうでしょうか? Googleさん。

今週は、このあたりで、また来週。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧