Deno 2.0リリース ―大規模プロダクトにも対応可能なJavaScript環境へ

Deno Land Inc.は2024年10月9日、同社が開発するJavaScript/TypeScriptランタイム環境Denoの新バージョンDeno 2.0のリリースをアナウンスした。

DenoはNode.jsの作者としても知られるRyan Dahl氏によって開発された。Node.jsおよびnpmとの下位互換性をもち、ネイティブTypeScriptサポート、Web標準API、JavaScript開発用の完全なツールチェーン、デフォルトセーフな実行モデルなど、Node.jsにない機能を外部依存関係のない単一の実行ファイルで提供しているのが特徴。

Deno 2.0は初のメジャーバージョンアップで、LTS(長期サポート)版と位置づけられている。Denoのもつシンプルさとセキュリティ、そして組み込みフォーマッタ、リントツール、型チェッカー、テストフレームワーク、コンパイル機能などのいわゆる「バッテリーつき」の特徴はそのままに、幅広いプロジェクトやチーム開発のサポートなど、Denoをより大規模に使用できることに重点を置いたという。

このためDeno 2.0ではpackage.jsonおよびnode_modulesをネイティブ サポートし、新しいdeno installdeno add、およびdeno removeコマンドによりパッケージ、依存関係を簡単にインストールや削除、管理することができる。また、JSRと呼ばれるオープンソースのモダンなパッケージレジストリを採用し、複数のランタイムや環境でのモジュール読み込みの複雑さを軽減できるようになった。

このほか既存の機能についても、以下のような点が強化されている。

  • deno fmtでHTML、CSS、YAMLをフォーマットできるようになった
  • deno lintでNode固有のルールとクイックフィックスをサポート
  • deno testnode:testを使用して記述されたテストの実行をサポート
  • deno taskでpackage.jsonスクリプトが実行可能に
  • deno docのHTMLアウトプットのデザインが改善され検索性が向上
  • deno compileでWindowsの電子署名とアイコンをサポート
  • deno serveで複数のコアにまたがってHTTPサーバーを並列実行可能に
  • deno initでライブラリまたはサーバーのscaffoldがサポートされた
  • deno jupyterで画像、グラフ、HTMLが出力できるように
  • deno benchでクリティカルセクションがサポートされ、より正確な計測が可能に
  • deno coverageでHTMLでレポートを出力可能に

Deno 2.0はMacOS/Linux版、Windows版ともdeno.comからダウンロード/インストールできる。

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