GitHub⁠自然言語でAIと対話してアプリを開発するツールGitHub Sparkを発表⁠GitHub CopilotでAnthropic⁠Google⁠OpenAIのAIモデルを選択可能に

GitHubは2024年10月30日、開発者向け年次カンファレンスGitHub Universeにて、自然言語によるアプリ開発を可能にするAI開発ツールGitHub Sparkなどを発表した。

自然言語でのアプリ開発を可能にする「GitHub Spark」

GitHub Sparkは、さまざまなスキルレベルの開発者が自然言語を使用してspark(スパーク)と呼ばれるマイクロアプリを開発、アイデアをプログラムとして実現できるツール。GitHub Sparkはクラウドリソースの管理を一切必要とせず、AI機能や外部データソースをインテグレートして完全に機能するマイクロアプリとなっている。

OpenAIやAnthropicのAIモデルを使用したプロンプトでのやりとりでアプリを開発し、リアルタイムでプレビューを確認しながら、各リクエストのオプションを容易に確認できる。開発中の各バージョンは自動保存されるため、途中経過を比較しながら進めることも可能。経験豊富な開発者ならAIの作成した基礎のコードを直接変更することができるほか、一般ユーザーや初心者はプロンプトから自然言語だけでAIとやりとりしてアプリを改善していくことができる。

GitHub SparkのAIモデル選択メニュー
GitHub SparkのAIモデル選択メニュー
GitHub Sparkのプロンプト入力ダイアログ
GitHub Sparkのプロンプト

GitHub Sparkはモバイル版も用意されており、ユーザーが各自の開発したspark(アプリ)はデスクトップだけでなくモバイルデバイスでもすぐに実行できる。またアクセス権をカスタマイズすることでsparkを共有したり、他のユーザーのsparkをリミックスして開発を進めることができるという。

GitHub Copilotのマルチモデル対応

GitHub.comおよびVisual Studio CodeでGitHub Copilotを使用している開発者は、Anthropic Claude 3.5 Sonnet、Google Gemini 1.5 Pro、そしてOpenAI GPT-4o / o1-preview / o1-miniなどのAIモデルから任意のモデルを選択できるようになった。Copilot Chatとの会話中にタスクに適したモデルに切り替えることも可能。Claude 3.5 Sonnetはすぐに、Gemini 1.5 Proは数週間のうちに利用可能となる予定。また今後は、さらに多くの機能や領域でマルチモデルを展開していく予定とのこと。

様々な新機能や改善点も発表

同カンファレンスではこのほか、以下のような新機能、新しい改善点などが発表となっている。

VS CodeでのGitHub Copilotのマルチファイル編集機能
VS CodeのGitHub Copilot Chatを使い、プロジェクト内の複数ファイルを自然言語プロンプトで同時に編集することができる新しい編集モードが利用可能に。
GitHub Copilotのカスタマイズ機能
VS CodeおよびVisual StudioでGitHub Copilot Chatの応答を好みのツール、組織内の知識、コーディング規約に基づいてカスタマイズできるようになった。
全ユーザー向けのGitHub Copilot Extensions
GitHub Copilot Extensionsにより、開発者はAtlassian Rovo、Docker、Sentry、Stack Overflowなどの開発ツールやサービスに関する質問ができるようになる。
Xcode用GitHub Copilot
GitHub CopilotのXcode向けのコード補完機能がパブリックプレビューで利用可能に。
WindowsターミナルのGitHub Copilot
Windows ターミナルのナイトリービルドであるWindows Terminal Canaryのターミナルチャットを使用すると、ターミナルを離れることなくGitHub Copilotの機能にアクセスしてコマンドの提案や説明を取得できるようになった。
GitHub Copilotによるコードのフィードバック
新しいコードレビュー機能によりGitHub Copilotは30秒でコードに迅速なフィードバックを提供、ユーザーはInsiders版のVS CodeまたはGitHub.comでプルリクエスト作成時にレビューをリクエストできる。
Copilot Autofixとセキュリティキャンペーンによる大規模な脆弱性の修正
Copilot Autofixの一般提供(GA)が8月に開始されて、開発者はコードの脆弱性をそれまでの3倍以上の速さで修正できるようになっていたが、本日からセキュリティキャンペーンがパブリックプレビューとして開始され、一度に最大1,000件のアラートをトリアージできるほか、アラートの種類、深刻度、リポジトリ、チームごとにフィルタリング可能。またESLint、JFrog SAST、Black Duck'sなどのパートナーツールとも統合できるようになったため、開発者は好みのスキャンツールでセキュリティワークフローを構成できる。

GitHub上でもっとも使われている言語がPythonに

GitHubの利用動向を調査したレポート「Octoverse 2024」も発表された。昨年GitHub上で行われた52億のコントリビューションを分析した結果、GitHub上ではJavaScriptを追い抜きPythonが最も使われる言語となったこと。生成AIプロジェクトが昨対比で98%増加し、特にインド、ドイツ、日本、シンガポールなどからの活動が目立ったこと。また、アフリカ、ラテンアメリカ、アジアでの開発者数も急増しており、100万人以上の学生、教師、オープンソースメンテナがGitHub Copilotの無償アクセスプログラムを利用していることがわかったという。

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