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Android 15 QPR2 Beta 1がリリース

Googleは、2024年11月12日にAndroid 15 QPR2 Beta 1をPixelシリーズ向けにリリースしました。安定版のリリースは、2025年3月の予定です。

QPRとは、Quarterly Platform Releaseの頭文字をとった略称で四半期ごとにリリースされます。Androidに重要な更新を行う前のベータ版として提供されており、インストールするにはベータプログラムに参加している必要があります。平たく言えば、OSのアップデート前にベータ版として公開して、バグ出しとフィードバックを得るためのものです。

今回リリースされたQPR2は、パフォーマンス改善とバグ修正、セキュリティ強化が主な変更点とされていますが、Linuxカーネルのアップデートやモードと呼ばれる新機能の追加、Linux Terminalアプリが追加されているので、これらを順にみていきます。

Linuxカーネルが6.1に

メモリのページサイズしかり、最近は大きな変更がさらりと行われるようですが、QPR2ではLinuxカーネルが6.1に更新されます。これまで、Pixel 6, 7シリーズがLinux 5.10、Pixel 8シリーズがLinux 5.15、Pixel 9シリーズがLinux 6.1とバージョンが不そろいでしたが、Tensorを搭載するPixelシリーズはLinux 6.1に統一されたことになります。

Linuxカーネル6.1からは、パフォーマンスに関する改善が行われています。

1つ目はファイルシステムの改善で、EXT4とBtrfsのパフォーマンスが最適化されています。

EXT4 Rolls Up Some Fixes & Performance Optimizations For Linux 6.1 - Phoronix

もう1つ、メモリ管理アルゴリズム「MGLRU」が導入されています。これの開発をリードするGoogleは、Androidで劇的なパフォーマンス向上を確認したとしています。MGLRUの解説記事はgihyo.jpで公開されているので、こちらを一読してください。

Linux 6.1の注目機能「MGLRU」―メモリ管理に取り入れられたエイジングシステム | gihyo.jp

どちらもユーザーインタフェース変更のようなわかりやすさはありません。しかし、ファイルシステムとメモリ管理はOSの根幹部分なので、総合的なユーザ体験向上の底上げにひと役かうはずです。

新機能「モード」の導入

QPR2で最もわかりやすいアップデートです。

新しく追加された「モード」は、サイレントモードに変わるものです。

これは「サイレントモード」だけでなく「おやすみ時間」「Pixel Stand Gen 2で充電中」の通知関連の振る舞い、そして、端末をふるとサイレントモードに入る設定項目があります。モードは、サイレントとおやすみだけでなく、独自のパターンを作成できます。

モード有効時は、割り込みを許容するユーザ、通知を許容するアプリ、アラームとメディアが割り込み可能か設定できます。これ以外には、通知の表示オプション、画面の表示オプション、画面や壁紙の明るさ、ダークモードを有効にする設定も可能です。

設定の「Digital Wellbeingと保護者による使用制限」には、フォーカスモードが残っています。これはアプリの使用を制限する機能なので、モードとは意味合いが異なりますが、似た機能があるので整理しても良いのではと考えます。

そのフォーカスモードですが、仕事中は有効にしていたことがありました。

多くのケースでは、これで集中できるキッカケを作れます。しかし、無効中のアプリを一瞬だけ使いたいシーンがあって、フォーカスモードを一時的にオフすることが何度かあり、これがストレスに感じたので次第に使わなくなりました。

集中できるキッカケを作りだす意味で、モードのほうが良いバランスの機能に見えるので、改めて仕事中に活用してみたい機能です。

Linux Terminalアプリの追加

開発者オプションを有効にして「Linux開発環境」をオンにすると、ホーム画面に「Terminal」アプリが追加されます。

これを起動すると黒い画面にコマンドプロンプトが点滅することを期待して、アプリをタップしましたが、筆者のPixel 6 Proではアプリ起動中に落ちるようで、コマンドプロンプトは表示されませんでした。どの程度のコマンドが用意されているのか、期待をしてアプリを起動したのですが残念な結果となりました。

今週は、このあたりで、また来週。

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