Red Hatは11月13日、2025年上半期に一般提供開始予定の「Red Hat Enterprise Linux 10(RHEL 10)」の最初のパブリックベータをリリースした。
2022年5月リリースのRHEL 9以来のメジャーバージョンアップとなるRHEL 10は多くのアップデートが予定されている。ベータ版ではカーネルに2024年9月にリリースされたLinux 6.11を採用、インストーラではグラフィカルリモートアクセスのプロトコルがVNCからRDPに変更されたほか、ディスクイメージから個別の/bootパーティションをなくし、さらに新しく作成されたユーザに対してデフォルトで管理者権限を付与するなどの変更が行われている。対応アーキテクチャは64ビットAMD/Intel(x86-64-v3)、64ビットARM(ARMv8.0-A)、IBM Power Systems Little Endian(POWER9)、64ビットIBM Z(z14)の4つとなる。また、利用可能なおもなソフトウェアパッケージは以下の通り。
- Python 3.12
- Node.js 22
- Perl 5.40
- PHP 8.3
- Git 2.45
- nginx 1.26
- MariaDB 10.11
- MySQL 8.4
- PostgreSQL 16
- Valkey 7.2
- GCC 14.2
- glicc 2.39
- LLVM 18.1.8
- Rust 1.79
- Go 1.22
また、RHEL 10パブリックベータの提供と同時に、RHEL 9シリーズの最新版となる「Red Hat Enterprise Linux 9.5」の一般提供も開始された。RHEL 9.5では大規模なsudoの構成を自動化するためのシステムロールが追加され、コンフィデンシャルコンピューティングのサポートが強化されるなど、セキュリテイやコンプライアンスが管理機能が強化されている。また、コンテナエンジンの最新版「Podman 5.0」をサポートしており、コンテナネイティブなハイブリッドクラウド環境を強力に推進、大規模環境における迅速で効率的なアプリケーション運用を図っている。
なおRHEL 9.5の導入を検討するユーザに対し、Red Hatは60日間の無料トライアル環境を用意している。