Linus Torvaldsは11月17日(米国時間)、「Linux 6.12」を公開した。通常のスケジュール通り開発期間は約2ヵ月、7本のリリース候補(RC)版を経てのアナウンスで、2024年最後のカーネルリリースとなる。
Linux 6.12では数多くのアップデートが行われており、20年越しのメインライン実装となったリアルタイムLinuxのパッチセット「PREMPT_RT」や、任意のワークロードに適したスケジューリングを可能にするBPFベースのスケジューラクラス「sched_ext」などのサポートが実現している。またハードウェア関連では、Raspberry Pi 5のイニシャルサポート、1990年代からIntel CPUの識別で使われてきたファミリID「Family 6」からの移行準備の完了、Linus自身の手によるアドレスマスキングによるユーザアクセスの高速検証などが行われている。
Linusはすでに次のカーネルとなる「Linux 6.13」のマージウィンドウオープン(米国時間の11/18予定)に向けて準備をしており、オープン前にもかかわらず送られてきた20を超えるプルリクエストに対応しているという。開発が順調に進めば、2025年1月中旬にはLinux 6.13のアナウンスを聞くことができる見込みだ。