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Time for a New Hat! ―Fedoraプロジェクトリーダーが交代へ

FedoraプロジェクトリーダーのMatthew Millerは12月10日、2025年前半にリリース予定の「Fedora Linux 42」の一般提供開始(GA)をめどに、10年以上務めてきたプロジェクトリーダーを辞する意向を明らかにした。

退任を決めた理由についてMillerは「Fedoraプロジェクトリーダーは自分にとって夢の仕事であり、正直にいえば、続けようと思えば永遠に続けられるだろう。しかし(どんなに好きな仕事でも)やはり永遠に続けるべきではないと思っている。当初は5年を目標にしてきたが、そこに到達したときは、まだ(プロジェクトリーダーとして)やるべきことがたくさん残っていた。それから5年が経ち、主要スポンサーからのサポートも手厚く、コミュニティの関与の高い、すばらしいプロジェクトとして成長した」と語っており、オープンソースプロジェクトとして誰もが認める成長を遂げたタイミングを引き際と決めていたようだ。

Fedoraプロジェクトでは現在、RISC-Vなど新しいアーキテクチャへの対応やAtomicイメージモード、大規模インフラストラクチャのサポートなど、次々と新しい試みが始まっており、それらを拡大していくためにも「私(Miller)の代わりに新しいエネルギーと斬新なアイデアをもった人が必要」だとしている。

新たなリーダーに関しては現在、Red Hatが採用活動を進めており、2025年5月ごろにリリースが予定されている「Fedora Linux 42」のGAにあわせて引き継ぎが行われる見込みだ。なお、Millerはリーダー退任後、Red HatのコミュニティLinuxエンジニアリング部門でフルタイムの管理職に就任する予定で、⁠新しいプロジェクトリーダーのリソースとなって、近くで支えていきたい。次のリーダーが5年よりもずっと短い期間で自信をもち、⁠リーダーとして)十分な能力を獲得できるようサポートしていく」とコメントしており、新しいリーダーの補佐役というかたちで引き続きFedoraプロジェクトに関わっていくようだ。

10年という長い期間にわたり、Fedoraという大規模なオープンソースコミュニティでリーダーとして活躍してきたMatthew Miller。誰もが認めるコミュニティマネジメントの手腕と実績を活かし、新しいHatをかぶっても引き続き活躍していくことを期待したい。

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