10年近く前の話になるので、知らない方もいるかもしれません。
Apple Watchの発売前、スマートウォッチという呼び名が一般的ではないころです。Pebbleという電子ペーパーのディスプレイを搭載した腕時計が存在していました。これは、外部から文字盤やアプリを追加できるなど、今のスマートウォッチはPebbleが作り上げたと言っても過言ではないほどです。
しかし、経営難に陥り2016年にFitbitに買収されます。
買収後は、FitbitのSenseやVersaにPebbleの名残を感じましたが、FitbitがGoogleに買収された後は、Wear OSにバトンタッチされてPebbleの残り香はなくなりました。
しかし、2025年1月に転機が訪れます。
GoogleがPebble OSをオープンソース化することを発表します。これは本連載でも取り上げました。
復活の兆し?
ここから急速に物事が進みます。Pebbleの創設者であるEric Migicovsky氏は、Pebble復活に向けて
サイトが公開されており、予約を受け付けています。数量限定での生産なので、気になる方は予約を勧めます。
モノクロとカラーの2モデルを発表
発表されたのは、
10年近く時間が止まっていたので、見劣りするのは仕方のないところですが、現代的にリファインされた部分もあるので、これを中心に見ていきます。
まずは、Core 2 Duoからです。
名前のDuoは
この結果として、バッテリ寿命が30日になっています。旧作は7日間でした。当時は、これでも驚異的でしたが、30日に延長されたのは充電を忘れそうです。他、スピーカ、リニア共振アクチュエータ、気圧計とコンパスセンサーが搭載されます。
Bluetoothチップは、Nordic nRF52840が使われます。
筆者はPebble 2を所有していましたが、当時使っていたiPhoneとの相性が悪く、接続が頻繁に切れて使い物にならなかった記憶が残っているので、今回は改善されることを切に願っています。
Core Time 2は、Pebble Time 2の現代版です。
1.
新要素としてタッチスクリーンが加わっていますが、Pebbleが物理ボタンのみでの操作であったことを思い出しました。
これのケースデザインはCore 2 Duoと似ていますが、これより大きなディスプレイを搭載するために大型化しています。このケースデザインは、Eric Migicovsky氏のお気に入りのようです。
ソフトウェア面の変更はありません。しかし、見どころはあります。
たとえば、Pebble Timelineは、時間軸に沿って天気予報やアラーム、予定などを表示する機能があり、ケース横にある上下ボタンで時間軸に沿って確認できました。サードパーティアプリもタイムラインに情報が追加できたので、すべての情報をここに集約できました。
簡単な操作で情報が確認できる仕組みと、分かりやすいインターフェースは、当時、感動した記憶があります。これ以降、似た機能を搭載したスマートウォッチを見たことがないので、また使えるのは嬉しい限りです。
万人向けではない
Eric Migicovsky氏のブログで、新しく登場するPebbleOS搭載の腕時計を紹介するエントリがあります。
Introducing two new PebbleOS watches!
このブログの後半で、完璧に磨き上げられた製品やフィットネス用途、Apple Watchと比較しているのであれば、購入は見送るようにと書かれています。まさにその通りで、復活を遂げたものの、登場したのはPebbleを懐かしむ人向けです。機能的には、より素晴らしい製品が存在しますが、時計を見るたびに笑顔になるのは間違いなくて、筆者は7月が待ち遠しいです。
今週は、このあたりで、また来週。