Googleスプレッドシート⁠日本語でもAI関数によるデータ生成機能をWorkspaceやAIプラン加入者に順次提供へ

Googleは、Googleスプレッドシートにおいて、セル内で直接AIに指示を出し、スプレッドシート内の情報をもとにテキスト生成や要約、カテゴリ分けを行うAI関数の導入をGoogle WorkspaceやGoogle AIプランなどの加入者向けに提供していたが、これまでは英語のみでの提供だった。

そして2025年9月23日、日本語を含む7か国語でもAI関数の提供を始めることを発表した(他の言語はスペイン語、ポルトガル語、韓国語、フランス語、イタリア語、ドイツ語⁠⁠。Google Workspaceにおいて、Rapid Releaseの場合は9月23日から、Scheduled Releaseの場合は10月6日から段階的に提供される。

Googleスプレッドシートのセル上で直接AI関数AI()を使うには、プロンプトと必要あれば任意のデータ範囲を指定する。これにより、スプレッドシート内の情報をもとに特定のデータに合わせたテキストを生成、要約、カテゴリ分けを行うことが可能になる。

なお、プロンプトにデータやコンテキストを提供する場合には、出力品質を向上させるため、現在のスプレッドシートにデータを追加し、引数でその範囲を指定することを推奨している。

AI関数では、第一引数にプロンプト、必要に応じて第二引数にAIが参照するデータ範囲を指定する。そのあとそのセルにおいて「Generate and Insert」を選択するとデータが生成されて表示される。出力を更新したい場合は「Refresh and Insert」を利用する。なお、AI関数を列全体に自動入力することで一括生成も可能。

以下に、用途ごとのAI関数のコードサンプルを示す。

テキスト生成
// 商品の広告文を生成する
=AI("Write a formal ad copy for the product. Cater copy to the objective and target audience", A2:C2)
// レビュワーへの返信メールを生成する
=AI("Create an email to the reviewer addressing specific items in their reviews.", A2:G2)
テキスト要約
// 顧客フィードバックを1文で要約する
=AI("For the customer, write a one sentence summary of their feedback.", A2:D2)
// ペットシッターのオーナーとして顧客に2文でペットの滞在を面白く要約する
=AI("You are the owner of a pet sitting business. Write a 2 sentence summary for the customer about their pet’s last stay. Be a little funny.", F2)
カテゴリ分け・感情分析
// 顧客問い合わせをカテゴリに分類する
=AI("Categorize the customer inquiry as a compliment, exchange request, or return request.", C2)
// 顧客メールの感情分析を行う
=AI("Perform sentiment analysis on the emails sent by the customers to the barbershop.", C2)

また、複数の離れたセルの値をプロンプト内で連結してAI関数に渡すことも可能。これにより、必要な情報を柔軟に組み合わせてAIに指示できる。

// ホットソースのレビューを、商品名・材料・人気度を組み合わせて生成する
=AI("Write a review of the hot sauce "&A2&" using only the ingredients "&D2&" and the popularity "&E2&".", A2:D2)
// 顧客名・評価・コメントを組み合わせて主要テーマを抽出する
=AI("Find the major themes in the customer feedback of "&B2&" using the rating "&C2&" and comments: "&D2&".")

なお、テキストの生成のみに対応しており、計算はできない。以下は平均してもらうのに失敗した例(該当のセルを数えるのは可能な場合がある⁠⁠。

また、以下のような制約がある。

  • 参照するデータは同一シート内に配置する必要があり、他のシートや外部データを参照できない。
  • AI関数は他の関数の中で入れ子にして使うことができない。
  • 一度に生成できるAI関数セルは最大200件までで、完了後に追加で生成できる。ただし短期および長期の生成制限があり、長期制限に達すると24時間待つ必要がある。

AI関数を使えるのは、Google WorkspaceのBusiness Standard/Plus、Enterprise Standard/Plus、Google AIのPro/Ultra/Ultra for Educationとなり、Business Starterプランや個人向け無料アカウントでは通常利用できない。

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