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rabbitOS 2で“とっつきにくさ”解消されたのか

皆さん、オレンジで正方形の箱に住み着いている、ウサギを覚えていますでしょうか。筆者は時々世話する程度でしたが、こうしている間に大きな成長を遂げました。

回りくどい言い回しはここまでです。9月12日、ポケットサイズのAIデバイス「rabbit r1」に搭載されているOS「rabbitOS 2」がリリースされて、大きな進化を遂げているのでご紹介します。

rabbit r1 | rabbit intern | rabbitOS | official site

rabbit r1に搭載されている「rabbitOS」は、Androidをベースに構築されています。これは、AOSPを活用しているが手を加えられている部分が多いので、Linux系の独自OSという見方もありますが、ここではAOPSベースのOSとして扱います。

rabbit r1の“とっつきにくさ

さて、rabbitOS 1では、まずは音声で指示をデバイスに対して行い、この結果を画面に表示、そして、必要であればホイールで情報操作する使い方でした。

これが難しいのは、指示する方法を覚えないと使えない点です。

ユーザ側で何かできるのか理解した上で指示を出さないと、返す返答にがっかりすることがあります。これは毎回ではありませんが、良好な結果を得ようとすると、ユーザがお膳立てしたうえで使うのが当たり前です。

コンピュータとのインターフェースがGUIになり、コマンドを覚えなくても、ある程度は使えるようになりました。しかし、AI時代に入り、これが先祖返りしているようにも感じ、ここにrabbitOSの「とっつきにくさ」を感じます。

作り手がどこまで狙って開発したのかはわかりませんが、単純な話、AIは「助けてドラえもん」的に何でも解決する万能秘書として使えることを想定したのかもしれません。であれば、とっつきにくさは感じないかもしれませんが、現状のAIはここに達していません。

rabbitOS 2は⁠センスとバランスの塊

rabbitOS 2では、先で指摘した点を解決するために、良い落としどころを見つけており、スマホ世代が抵抗感なく受け入れられるようデザインが見直されています。

たとえば、従来はスクロールホイールを使った操作がメインだったのに対して、タッチとスクロールホイールのどちらでも操作できる形になりました。

そのタッチ操作は、画面を上から下へスワイプすると、Androidのクイック設定パネルに似たパネルが表示され、ディスプレイ輝度や音量、カメラや設定の起動ができます。

また、画面を下から上にスワイプすると、Androidのホーム画面に相当する画面が表示されます。ここには、最近使ったツールが最初に表示されて、スクロールすると内蔵ツールがカード状にスタックされて表示されます。カードをタップするとツールが起動します。

ジェスチャー操作は、どちらも多くの人は説明なしに使えるはずです。また、rabbit r1でできることは、ホーム画面でツールをカード状にして提示するので何ができるのかも理解しやすくなっています。

スマホを利用する多くの人が知る操作体系を取り入れて、従来の音声操作のインターフェースを融合しています。加えて、視覚で得られる情報の量も増えています。

異なる2つを融合しているので違和感が出そうですが、そうは感じさせないところに作り手のセンスの良さを感じます。

rabbitOS 1は、うまいバランスだと感じていましたが、rabbitOS 2は、より洗練された印象です。本当にうまいバランスで、センス良くまとめられていると感じています。音声インターフェースに興味がある方は、ぜひともデバイスを手にして体験してみてください。

少し欲を言えば、音声入力の際に感じる「早く入力しないと」の強迫観念を緩和する入力方法やユーザインターフェースの提案があれば完璧ではないでしょうか。

道具としての仕上がりは?

感動で駄文が長くなりました。

rabbitOS 2では、もとあるツール群のブラッシュアップされています。rabbit r1は、会議の書き起こしツールとしても期待したのですが、期待したほどではなかったので、これがどの程度のブラッシュアップされているか検証したいと考えています。

また、好みのツールをAIとともにVibe CodingができるCreations機能もおもしろそうです。どの程度のツールが作れるのか試して次回ご紹介します。

今週は、このあたりで、また来週。

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