Claude Sonnet 4.5リリース⁠Claude CodeにネイティブVS Code機能拡張など大幅機能強化

Anthropicは2025年9月30日、同社のAIモデルClaude Sonnetの新バージョンSonnet 4.5をリリースした。

Claude Sonnet 4.5は、これまでリリースしたフロンティアモデルの中で最も安全性が高く、以前のClaudeモデルと比較してセキュリティやセーフガードといった複数の領域で安全、安定性が大幅に改善されている。詳しくはClaude Sonnet 4.5のSystem Cardを参照。

Claude Sonnet 4.5はコーディング能力もアップしており、エージェントコーディングの指標であるSWE-bench Verified評価で同社の上位モデルであるOpus 4.1をはじめGPT-5 CodexやGemini 2.5 Proなどのモデルを上回る性能を記録したという。

またこれに合わせてコーディングエージェントであるClaude Codeもアップデートされ、Sonnet 4.5を搭載したClaude Codeはより長く複雑な開発タスクを処理[1]できるようになった。

Claude Codeの新機能は以下の通り。

VS Code機能拡張
Claude CodeをIDEに直接組み込むネイティブVS Code機能拡張(ベータ版)が登場。専用のサイドバーパネルとインライン差分を通じて、Claude Codeの変更内容をリアルタイムで確認できる。IDEでの作業を望むユーザーによりリッチでグラフィカルなエクスペリエンスが提供される。
VS Code機能拡張
ターミナルインターフェースがリニューアル
ターミナルUIが更新され、新インターフェースではステータスの視認性が向上、プロンプト履歴CtrlRの検索が可能となり、以前のプロンプトの再利用や編集が容易になった。
新ターミナルインターフェース
Claude Agent SDK
前は「Claude Code SDK」と呼ばれていたClaude Codeを支えるコアツール、コンテキスト管理システム、権限フレームワークへのアクセスがチームユーザ―向けに提供されるようになった。サブエージェントとフックのSDKサポートも開始。金融コンプライアンスやサイバーセキュリティエージェント、コードデバッグエージェントなど、さまざまなユースケースに対応するエージェントをSDKで構築可能。
チェックポイント機能
変更前のコード状態を自動的に保存しチェックポイントとすることで、開発時の探索と反復作業が容易になった。Escを2回押すか/rewindコマンドを使用することで以前の状態に簡単に戻ることができる。復元するのはコード、会話、またはその両方を選択できる。なおチェックポイントはClaudeの編集に適用され、ユーザーの編集やbashコマンドには適用されないため、バージョン管理と組み合わせての使用が推奨されている。
サブエージェント/フック/バックグラウンドタスク
サブエージェントは、メインエージェントがフロントエンドを構築している間にバックエンドAPIを起動するなど特殊なタスクを委任することで、並行開発ワークフローを実現する。フックはコード変更後のテストスイートの実行やコミット前のリンティングなど、特定のポイントで自動的にアクションをトリガー。バックグラウンドタスクは、、Claude Codeの他の作業の進行を妨げることなく、サーバーなどの長時間実行プロセスのアクティブを維持する。これらをチェックポイントと組み合わせることで、大規模なリファクタリングや機能探索といったタスクをClaude Codeに安心して委任できる。

Claude Codeの新しいデフォルトモデルとしてClaude Sonnet 4.5が設定されている。またVS Code拡張機能ベータ版は、Visual Studioマーケットプレイスからダウンロードして利用できる。その他の新機能はClaude Codeを更新するだけで利用可能。

Claude Sonnet 4.5はClaude API経由で利用可能。料金はSonnet 4と変わらず100万トークンあたり3USドル(入力)/15USドル(出力⁠⁠。なお、7月に発表された週次のレート制限が現在展開されているが、同社によるとClaude Sonnet 4.5ではこの制限にかかるユーザー2%未満になると予想されている

このほかClaude Developer Platformでは、開発者がより高性能なAIエージェントを構築できるように、コンテキスト編集機能とメモリツールの2つの新機能を導入した。

コンテキスト編集により、トークンの制限に近づいたときに古いコンテキストをクリアできる。またメモリツールはコンテキストウィンドウの外に情報を保存することができる。これらの機能を新しいClaude Sonnet 4.5モデルと組み合わせることで、エージェントがコンテキストウィンドウの制限に達してしまうことなく、より長くより複雑なタスクに対応できる。

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