Cloudflare Workersからメールを直接送信できる「Cloudflare Email Service」発表 ―11月からプライベートベータ版として提供開始

Cloudflareは2025年9月25日、同社のサーバレスアプリケーションプラットフォームCloudflare Workersからトランザクションメールを直接送信できる新機能「Cloudflare Email Service」を発表した。

Cloudflare Workersでアプリケーションを開発しているユーザーはCloudflare Email Serviceを利用すると、パスワードのリセットや購入履歴、ログイン用のマジックリンクといったメールを使ったアクションを、アプリケーションから簡単に実行することができる。

Email Serviceの導入にAPIキーやシークレットを設定する必要はなく、wrangler.jsoncにEmailバインディングを追加するだけ。その後sendメソッドを呼び出すことで、認証情報漏洩のリスクなく安全にメールを送信できる。またwranglerを使用してメール送信をローカルでエミュレートすることで、ツールや環境を切り替えずにユーザーの体験をテストできる。

本番環境では、バウンス率や配信イベントなどメールの観測情報が得られる。ユーザーからメールが届いていないとの報告があった場合、配信状況をすぐに確認して問題を迅速にデバッグし復旧を支援することが可能。

また、Email Serviceを既存のアプリケーションとシームレスに統合できるよう開発が進められている。外部サービスからメールを送信する必要がある場合、REST APIまたはSMTPのいずれかを利用できる。React Emailなどの既存のメールフレームワークを使用してリッチなHTMLメールをユーザーに送信している場合も、ライブラリをインポートし、テンプレートをレンダリングすればEmail Serviceを利用可能。

さらに、Cloudflare Email Routingと組み合わせることで、ドメインにカスタムメールアドレスを作成し、Worker を使用して受信メッセージをプログラムで処理できる。これにより、Workers AIを使用して受信メールを解析、要約、あるいはラベル付けを行うことができ、たとえば顧客からのセキュリティイベント、バグやインシデントの初期兆候にフラグを付けたり、受信メールに基づいて自動応答を生成することが可能となる。

Cloudflare Email Serviceは11月にプライベートベータ版として提供開始予定。希望者は待機リストに登録のこと。利用には有料のWorkerサブスクリプションが必要で、送信されたメッセージ数に基づいて課金される。料金については最終調整中で、近日中に発表される予定。

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