現状は、PC向けのクライアントOSと言えば、WindowsとmacOSが大半を占めています。しかし、Qualcommが開催したSnapdragon Summit 2025のオープニング基調講演で、この状況を変えるかもしれない未来が語られました。
基調講演の壇上で、Googleのプラットフォーム・
また、同じ基調講演に登壇していた、Qualcomm CEOの Cristiano Amon氏は、試作段階のシステムを目にしているようで
Google’s Android for PC: ‘I’ve seen it, it is incredible’ | The Verge
他、GoogleのAndroidエコシステム責任者であるSameer Samat氏は、基調講演の最後で
共通技術基盤とは
「共通技術基盤」
これまでGoogleは、PC向けにあChromeOS、モバイル向けにはAndroidを使い分けてきましたが、2025年7月には、ChromeOSとAndroidを単一プラットフォームに統合していることを認めています。こうした流れの中で技術的な下地が整い、PCへ展開できる道筋が見えてきたのかもしれません。
'I think you see the future first on Android' – Google's Android leader Sameer Samat | TechRadar
これだけでなく、近年、力を入れて開発しているAndroidのデスクトップモードも関係しているでしょうし、Androidで採用されるARM CPUは、PC向けが登場してきており、十分なパフォーマンスを発揮している背景も関係しているはずです。
他、Geminiを含むGoogleのAIスタックを短期間で全方位に展開するために、それぞれに合わせるのではなく、基盤を同一にしてしまえば、合わせる手間が省けると考えたのかもしれません。ChromeOSとAndroidが共有化される理由のひとつはこれなので、PCでも同じことを展開しようと考えるのは自然です。
基盤を押さえていれば、アプリレベルでは提供できないAI体験が提供できます。こうした、統合された体験はAppleの特技ですが、Apple Intelligenceが足踏みする今こそ攻めどきと考えることもできます。
いくつか、気になるところも
Android PCが実現されるとなれば、現状はスマホやタブレット、スマートウォッチのみで使えるMaterial 3 ExpressiveがPCでも使えるようになります。先のデバイスだけに留めておくのはもったいない話なので、PCでも使えるのは楽しみです。
ただ、Material Designは、タッチ操作前提でデザインされている部分があります。これがキーボードとマウスを前提で使うPCでどうアレンジされるのか、それともアレンジされず、そのまま持ち込まれるのかも気になるところです。
もう1つ気になるのは、ソフトウェアのアップデートです。
WindowsがMicrosoft主体でOSのアップデートを行なっているのと同様に、Google主体で行なってくれるのであれば安心して使えますが、ハードベンダ任せとなるのであれば、Androidでも起きていた分断化の悪夢再びとなるので、ユーザの目線だけでなくアプリ開発者としても避けてほしいところです。
また、これまでプラットホームの垣根を超えたアプリを提供しようとすれば、Webアプリが最初の選択となっていました。Android PCで開発したアプリがPCでも使えるとなれば、この味方は変わるかもしれません。
余談にはなりますが、一昔前、Atom CPUを搭載する8インチのタブレットにWindowsとAndroidのデュアルブートできる製品がありました。
Android for PCが登場すれば、似たような製品が雨後の筍のように登場する可能性も考えられます。ガジェット好きとしては、変態デバイスが登場しそうな予感がするので楽しみです。
今週は、このあたりで、また来週。