ノーコードでAIミニアプリ作成できるツール「Opal」⁠日本でも利用可能に

Googleは2025年10月7日、ノーコードでAIミニアプリを構築できる実験的ツール「Opal」の提供範囲を拡大し、日本を含む15か国にも段階的に提供を開始することを発表した。あわせてワークフローのデバッグ機能強化の導入やOpalプラットフォームの改善がおこなわれたことを案内している。

OpalはGoogle Labsが提供する実験的ツールで、自然言語だけで複数ステップのAIワークフローを構築し、AIミニアプリを作成・実行できる。それにより、複雑なビジネスプロセスの自動化やマーケティング活動の加速、クリエイティブなビジョンの実現を支援する。

これまで米国でのみ早期提供をおこなっていたが、当初想定していたよりもOpalで作られるアプリが実用的でかつ創造的なものが多かったことで、より広い地域のクリエイターに届けたいと考えるようになったと述べている。

また今回の提供範囲の拡大に向けて、Opalにおけるワークフローの透明性と信頼性の向上のため、次の改善をおこなわれていたことが紹介されている。

ワークフローにおけるデバッグ作業の改善
Opalではデバッグでもノーコードのまま作業することになるが(意図的にデザインされている⁠⁠、ビジュアルエディタ上でワークフローをステップバイステップで実行したり、コンソールパネルで特定のステップを反復処理したりできるようになっている。またエラーは問題が発生したステップにリアルタイムで表示されるようになり、推測する作業が軽減された。
プラットフォームの高速化と応答性の向上
以前は新しいOpalアプリの作成に最大5秒以上かかることがあったが、この時間が大幅に短縮された。また並列実行も可能になり、複数のステップを含む複雑なワークフローを同時に実行できるようになっている。これにより、全体の待ち時間を短縮できるようになった。

Opalの公式コミュニティとして、Discordのチャンネルがあることも案内している。


Opalの利用方法は、Opalのサイトから「Try Opal」を選択し、Googleアカウントでサインインするかたちになる。その際、Googleドライブのアクセス権限などが求められる。サインインすると、Opalのホームページが表示される。このページから新規作成(Create New)を選択するか、またはOpalギャラリーからミニアプリの例を選んでリミックスして、ミニアプリを作ることになる。

Opalのホームページ

Opalでのアプリ作成には、ノードベースのビジュアルエディタが使われる。このビジュアルエディタ上で、ステップ(ノード)を作成・接続してアプリを作成するか、プロンプトを入力してアプリのための一連のステップを自動生成する。こうして完成したアプリは実行や共有が可能となっている。

Opalのビジュアルエディタ
プロンプトに「ユーザーが必要としているテーマの書籍を、https://gihyo.jp/book のサイトからAIが選択して3つカバー画像とタイトルとともに提示するアプリを作りたい」を入れると、一度に多段ステップが作成された(記事末尾に作成された具体的なステップ内容を記す)
作成されたミニアプリ(画面右側)に「JavaScriptに関する入門書を教えて」と入力すると、ステップが段階的に進められていることが見て取れ、時間はかかるが最終的には3つの書籍が提案された(カバーは表示されなかった)

なお、各ステップではモデルも選択できる。通常のGenerateステップでは、デフォルトモデルとしてGemini 2.5 Flashが使われる。

Generateステップではモデルを選択できる

また、Opalのデータ(ユーザーのプロンプトおよびOpalが生成した出力)は、生成AIモデルの訓練には使用されることはないが、トラブルシュートやユースケース理解のために、Google側でプロンプトのごく一部を見る可能性がある。

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